ワイヤー矯正で歯が動くってどういうこと?仕組みや動くスピードを解説

「ワイヤー矯正って、どんな仕組みで歯が動くの?」
ワイヤー矯正に興味を持たれている方の中には、こんな風に考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
そこで 本記事では、ワイヤー矯正で歯がどうやって動くのかを紹介します。
動きやすい人の特徴や注意点も紹介するので、これからワイヤー矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。

Oh my teeth
マウスピース矯正「Oh my teeth」ホームホワイトニング「Oh my teeth Whitening」を提供するOh my teethのコンテンツチームです。Oh my teeth導入クリニックのドクターと連携し、歯科矯正やホワイトニング、自社ブランドに関する確かな情報を発信しています。
目次
- ワイヤー矯正とは
- 使用するワイヤーよって歯の動きが変わる
- ブラケットの種類も歯の動きに影響する
- ワイヤー矯正で歯が動く仕組み
- ①歯を動かすための力が歯根膜に伝わる
- ②歯が動く方向に「骨を溶かす細胞」ができる
- ③歯が動く方向の反対側には「骨を作る細胞」ができる
- ④歯根膜が一定の厚みをキープする
- ワイヤー矯正で歯が動くのは月0.3mm〜0.5mm程度
- ワイヤー矯正で歯が動きやすい人の特徴
- 成長期の子ども
- 新陳代謝が活発な人
- ワイヤー矯正の仕組みについて関するよくある質問
- Q1. もっと強い力で引っ張れば早く終わりますか?
- Q2. 自分でワイヤーを調整したり、力を加えたりしてもいいですか?
- Q3. なぜワイヤー矯正は定期的に調整が必要なのですか?
- ワイヤー矯正の仕組みを理解して前向きな治療を!

ワイヤー矯正とは、歯の表面に「ブラケット」という小さな装置を取り付け、そこに「ワイヤー」を通して歯並びを整えていく治療法です。
ブラケットにはワイヤーを通すための溝(スロット)があり、そこにワイヤーを装着することで歯に持続的な力を加えて少しずつ動かしていきます。
ワイヤーが持つ元の形に戻ろうとする力やしなりを利用し、歯を目的の方向へ誘導するのがこの治療の基本的な仕組みです。
使用するワイヤーよって歯の動きが変わる
定期的にワイヤーの種類を替えたり、締め具合を調整したりしながら理想的な歯並びを目指すことになります。
使用するワイヤーもニッケルチタン合金やステンレススチールといった素材があり、太さや断面の形状もさまざまです。
たとえば、ワイヤーには断面が四角いものや丸いものがあります。丸いものよりも四角いものの方が力をかけやすく、一般的に矯正開始〜中盤までは丸いもの、仕上げの段階で四角いものを使います。
またワイヤーの太さを変えて力の強さをコントロールすることも。矯正開始時は細いワイヤーを使用し、徐々に太いワイヤーへ変えていきます。太いワイヤーの方が、力を強くかけられます。
ワイヤーの装着には高度の専門技術が必要とされており、口腔内を傷つけてしまう危険性もあるため、自分でワイヤーを交換することはできません。
ブラケットの種類も歯の動きに影響する
歯に取り付けるブラケットは金属製のものや、歯の色に近い半透明なセラミック製のものなど、いくつかの種類があります。これらの素材の違いによって、ワイヤーとの間に生じる摩擦の大きさに差が出ることがあります。
たとえば、摩擦が少ない「セルフライゲーションブラケット」などは、弱い力で効率的に歯を動かすことが可能です。
ワイヤーやブラケットは、一人ひとりの状態に合わせて組み合わせることが重要になります。

では 、ワイヤー矯正によって歯はどのようにして動くのでしょうか。
その鍵を握るのは、歯の根っこ(歯根:しこん)と歯を支える顎の骨(歯槽骨:しそうこつ)の間にある「歯根膜(しこんまく)」という薄いクッションのような組織です。
①歯を動かすための力が歯根膜に伝わる
歯の根は「歯根膜(しこんまく)」という弾力のある薄い組織で覆われています。
歯根膜は、噛む力が加わったときにクッションの役割をしているとても大切な組織。血管や神経も通っていて、歯に栄養を供給したり、噛んだときの感覚を脳に伝えたりする大切な働きもしています。
ワイヤー矯正で歯に力が加わると、まず歯根膜にその力が伝わります。
②歯が動く方向に「骨を溶かす細胞」ができる
ワイヤー矯正装置によって歯に力が加わると、進行方向にある歯根膜は圧迫されます。圧迫された歯根膜は一時的に縮みますが、元の厚さに戻ろうとする働きが起こり、骨を溶かす細胞が出現します。
それによって歯が動く方向にスペースが生まれます。
③歯が動く方向の反対側には「骨を作る細胞」ができる
歯が動く方向とは反対側にある歯根膜は、引き伸ばされた状態に なります。伸びた歯根膜も元の厚さに縮もうとする性質があり、骨を作る細胞を出します。
この細胞が新しい骨を作り、歯が移動したことによってできた隙間を埋めていくわけです。
④歯根膜が一定の厚みをキープする
歯根膜が常に一定の厚みを保とうとする性質こそが、歯の移動を可能にしています。動く方向の骨がなくなり、反対側に骨が作られることが繰り返され、歯が徐々に動いていきます。
このような歯周組織の代謝を利用するのが、ワイヤー矯正の仕組みです。
Oh my teethの無料診断では、ご自身の歯がどのように動いていくのか、その過程をシミュレーションでご確認いただくことも可能です。興味がある方は、お気軽にご相談ください。

個人差はありますが=、1ヶ月で歯を動かせるのは0.3〜0.5mm程度です。たとえば、0.5mm程度動いたとしても、3mm動かすには約半年はかかるという計算です。
かなりゆっくりに感じるかもしれませんが、歯の移動は骨が新しく作られたり、吸収されたりする現象をして行われます。骨の作り替えには時間が必要になるため、歯の移動もゆっくりと進むのです。

歯列矯正の1ヶ月の変化はどれくらい?あなたの歯の動きはいつから現れる?

ワイヤー矯正は長く計画的に治療を進めていくことが基本です。しかし、全ての方が同じペースで歯が動くわけではありません。個人差ありますが、以下のような場合は歯が動きやすいと考えられています。
成長期の子ども
成長期の子どもはあごの骨がまだ柔らかく、小さな矯正力で歯やあごの形が変化しやすい特徴があります。
そのため時期によもりますが、あごの成長を生かして歯列を広げる装置(拡大装置)を使用して矯正を行うことも。将来的に永久歯を抜かずに歯を並べるスペースを確保できる可能性が高まります。
一方で、あごがやわらかいということは、悪習慣の影響も出やすいということ。そのため子どもに歯並びの悪化につながる癖(指しゃぶり・舌で歯を押す癖・爪噛み)などがある場合は、早めの対処が必要です。
新陳代謝が活発な人
骨の作り替えは、新陳代謝が活発な人ほどスムーズで、結果として歯が早く動く傾向がみられます。
矯正治療中に十分な睡眠や健康的な食事、適度な運動など、生活習慣や健康状態に気を使ってみることも、よい結果につながるかもしれません。

ここでは、ワイヤー矯正の仕組みに関する質問とその回答を紹介します。
Q1. もっと強い力で引っ張れば早く終わりますか?
歯に加える力を強くすれば早く動くというわけではありません。強すぎると歯や歯を支える骨にダメージがかかり、歯茎が下がったり、歯の根っこが吸収され短くなったりするリスクがあります。
そのため適切な力を加えて時間をかけて徐々に歯を動かします。
Q2. 自分でワイヤーを調整したり、力を加えたりしてもいいですか?
歯科矯正は、ドクターが歯並びや歯周組織の状態を検査した上で行われるべきものです。それらを考慮せずに自力で力を加えると、最悪歯が抜けてしまうことにもつながります。
「歯に力をかければ動く」と聞くと「自分でもできるのでは?」と思う人もいるかもしれませが、それはとても危険です。
自己判断はせずに、歯科クリニックで相談することをおすすめします。
Q3. なぜワイヤー矯正は定期的に調整が必要なのですか?
ワイヤー矯正をスタートすると、月に1回を目安に通院し、ワイヤーの調整を行います。
治療の段階や目的に応じて、使用するワイヤーの種類を変えたり、ワイヤーの曲げ方を調整したりすることで、歯にかかる力の方向や大きさをコントロールし、歯を理想的な位置へと導きます。
計画通りに進めるためには、歯科医師の指示に従い、定期的に通院することが大切です。
ワイヤー矯正の仕組みは、歯周組織の代謝を利用したものです。
歯に力をかけ続けるのがワイヤーの役割で、ワイヤーの性質(もとの形に戻ろうとする力やしなりなど)を利用しています。
定期的に歯科クリニックへ通院しながら、歯に適切な力をかけ少しずつ動かす ため、長期間の治療を要します。
子どもの場合は成長期を生かしてスムーズに歯が動く可能性があるため、歯並びが気になる場合は早めに相談するのがおすすめです。
信頼できる歯科医師に相談し、ご自身の歯並びの状態やライフスタイルに合った治療法を選択することが、後悔しない矯正治療につながります。

Oh my teethは無料診断を実施しています。あなたに合った矯正方法をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。