20代の歯科矯正のデメリットは?早いうちに治療したほうがいい?
大人と子どもは口内環境やあごの成長具合が異なるため、20代になってから歯科矯正をはじめる場合は子どもの歯科矯正よりもデメリットを感じることが多いです。
当記事では、20代以降に歯科矯正を行うデメリットを詳しく解説。これを読めば、自身が20代になってから歯科矯正をはじめても問題ないかがわかります。
メリットや費用、期間の目安についても解説しているので、ぜひ歯科矯正をはじめるかどうかの判断材料にしてください。
木村真由美
Oh my teethでのマウスピ ース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
政府統計の総合窓口(e-Stat)によると、平成29年の調査において、歯科矯正を行っている10代以下は11千人、20代以上は6.9千人です。
そのうち、20代で歯科矯正を行っている人は3.4千人で、20代以降に歯科矯正をしている割合の半数を占めています。
このことからもわかる通り、20代の歯科矯正は決して遅くありません。歯科矯正を行っている人の中には30代、40代を過ぎてからはじめたという人もいるため、20代はむしろ早いタイミングと言えます。
「歯科矯正は子どもの頃に受けておくもの」というイメージを持たれがちですが、前述の通り、大人になってからでも治療を受けることは可能です。
ただし、大人になってからの歯科矯正では、治療で用いられる矯正装置が限定されます。子どもの場合はあごが成長過程にあるため、それを活かした治療ができる矯正装置を用いることが多いです。
一方、あごの成長が完了した大人ができる歯科矯正は、大きく以下の4つです。
表側矯正(ワイヤー矯正)
裏側(舌側)矯正(ワイヤー矯正)
ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)
マウスピース矯正
歯科矯正にかかる費用は症例にもよりますが、子どものほうが大人よりも安く済む場合が多いです。
一方で、子どもの歯科矯正(小児矯正)は0期治療・1期治療・2期治療があるため、はじめるタイミングが早ければ早いほど、歯科矯正にかかる期間が長くなる傾向にあります。
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歯科矯正を検討している人の中には、「大人は歯科矯正をやめたほうがいい」と聞いたことがある人もいるでしょう。
実際のところ、大人の歯科矯正にはいくつかのデメリットがあります。20代以降に歯科矯正を行う場合は、以下で紹介するデメリットも踏まえて治療を検討することが大切です。
抜歯を必要とするケースがある
20代以降の歯科矯正は既に永久歯が生え揃った状態で行われるため、歯をきれいに並べるスペースが限られます。
あごに十分な広さがある場合は、歯列全体を広げる治療を行うことで、歯をきれいに並べることが可能です。
しかし、あごが小さく、歯をきれいに並べるスペースが確保できないと判断された場合は、抜歯が必要となります。
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痛みや違和感を感じやすい
20代以降に歯科矯正を行った場合、子どもと違って痛みや違和感を覚えやすいです。
歯科矯正では歯を動かすために、矯正装置を使って歯に少しずつ継続的な力を加えます。したがって、歯科矯正をはじめて間もない頃は、痛みや違和感を覚えやすいです。
矯正装置に対する痛みや違和感は、子どもの歯科矯正においても同じです。しかし、子どもの場合は歯の動きに対する適応能力が高く、大人より痛みや違和感に慣れるまでのスピードが早いとされています。
ただ、20代以降に歯科矯正をはじめた場合でも、時間の経過とともに痛みや違和感は和らぎます。個人差はありますが、2〜7日程度で慣れてくるでしょう。
虫歯・歯周病のリスクが高くなる
歯科矯正中は矯正装置によって歯磨きがしにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
とくに大人の場合、子どもと比べて唾液の分泌量や歯を支える骨の量が少ないため、とくに虫歯や歯周病になりやすいです。
費用が高い
大人は子どもと比べて歯科矯正にかかる費用が高くなることが多いです。後述で詳しく解説しますが、部分矯正で10〜70万円、全体矯正で60〜170万円ほどの費用がかかります。
ただし、これはあくまでも目安であって、症例によっては子どもの歯科矯正と同じぐらいの金額で治療を受けられるケースもあります。
子どもの歯科矯正は0期治療(3〜5歳頃)・1期治療(6 〜12歳頃)・2期治療(13歳以降)の3種類があり、早いうちから歯科矯正をはじめた場合は費用が安くなる場合が多いです。
しかし、0期治療あるいは1期治療で歯並びが改善されなかった場合は、次の段階の歯科矯正が必要となり、大人の歯科矯正よりも費用が高くなる場合があります。
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大人になってからの歯科矯正にはいくつかのデメリットがありますが、一方で以下のようなメリットもあります。
コンプレックスを解消できる
子どもの頃はあまり気にならなかったものの、成長するにつれて自身の歯並びにコンプレックスを感じるようになってきたという人は少なくありません。
歯科矯正で歯並びが整うと、人前で口を開けたり笑ったりすることへの抵抗がなくなり、長年のコンプレックスを解消できます。
治療スケジュールが立てやすい
子どもの歯科矯正では、あごや歯の成長に合わせて治療を進めていく必要があります。そのため、最初に立てた計画を途中で修正することも少なくありません。
一方、大人は成長の影響を受けないため、治療の計画が立てやすいです。ただし、年齢を重ねると、歯が動きにくくなったり、虫歯や歯周病にかかったりして治療に遅れが生じることがあります。
その点を考慮すると、大人になってからの歯科矯正はなるべく早いタイミングではじめるのがよいと言えるでしょう。