【3分で理解】口ゴボ(くちごぼ)とは!原因・治し方・セルフチェック方法をまるごと解説

不意に撮った写真で横顔が気になったことがありませんか?
横から見たときに口元が盛り上がった状態を「口ゴボ(くちごぼ)」と言います。
口ゴボは歯列矯正によって改善を目指せますが、自力で治すことはできません。間違った方法で治そうとすると、かえって悪化する恐れがあるため専門的な診断と治療が必要です。
そこで本記事では歯科医師監修の下、口ゴボの原因と、放置するリスク・影響、原因別の適切な治療法について解説します。
また、自分が口ゴボなのか判断したい方のために、自分で簡単にできるセルフチェックの方法も紹介しています。
「口ゴボの原因がわからない」「自分の口ゴボに適した治療法がわからない」という方は、ぜひ最後までご覧くださいね。


目次
- 口ゴボとは
- すぐにできるセルフチェック方法
- 【歯並びはいいのに口ゴボ⁉】口ゴボの4つの原因
- ①骨格
- ②歯の生え方
- ③唇や皮膚が分厚い
- ④アデノイド肥大
- 口ゴボを放置するリスクや影響は?
- 虫歯・歯周病リスクが高い
- 口臭リスクが高い
- 歯が着色しやすい
- 風邪を引きやすい
- 【原因別】口ゴボの治し方5選
- ①マウスピース矯正:歯並びが原因で軽度の口ゴボの場合
- ②ワイヤー矯正:歯並びが原因で中度〜重度の口ゴボの場合
- ③セラミッククラウン:歯並びが原因で重度の口ゴボの場合
- ④外科的矯正治療:骨格が原因の口ゴボの場合
- ⑤美容整形:唇や皮膚の分厚さ、アデノイド肥大が原因の口ゴボの場合
- 【注意】ネット上の口ゴボを自力で治す方法は危険
- ①口周りのマッサージ
- ②舌回しトレーニング
- ③壁や指で前歯を押す
- ④セルフ骨格矯正
- 口ゴボに関するよくある質問(FAQ)
- あなたの口ゴボに適切な治療方法は?


口ゴボとは、横から見ると口元が盛り上がった状態を言います。
正面から見たときの歯並びが良くても、横から見たら口元が前に出てることもあるので、口ゴボかどうかを判断するには横顔をチェックする必要があります。
すぐにできるセルフチェック方法

口ゴボかどうかチェックするには、人差し指を鼻先と顎先に当てる方法があります。
人差し指を鼻先と顎先に当てたときに、口元が人差し指で押し潰されるような場合、口ゴボの可能性があります。
上記の左のイラストのようにEライン(人差し指のライン)の内側、もしくはライン上に口先がある状態が美しい横顔だとされています。横顔を写真で撮ってみるとチェックしやすいでしょう。
ほかにも、下記のどれかに当てはまる方は口ゴボの可能性が疑われます。
口が閉じにくい
口を閉じたときに下顎に梅干しのようなシワができる
口を閉じたときに鼻の下が長い
口元が盛り上がっている

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口ゴボの原因として広く知られているのは、出っ歯などの歯並びの乱れですが、口ゴボと言ってもさまざまな状態 があり、なかには歯並びに問題がなくても口ゴボになっている場合もあります。
歯並びに問題がない口ゴボは歯科矯正では治らないので注意が必要です。
①骨格
遺伝や生まれつきの骨格、歯の大きさやバランスによって、口ゴボに見えてしまう場合があります。
口ゴボになりやすい例は、以下の通りです。
上顎が下顎よりも大きすぎる
下顎が上顎よりも小さすぎる
歯の大きさが顎に対して大きすぎる
顎全体が狭すぎる
このように、上下の顎のバランスが悪いと口ゴボに見えてしまいます。
上下の顎のアンバランスは幼少期からの顎の発達過程における口呼吸や指しゃぶりの癖が原因の場合があります。
②歯の生え方
歯並びに問題がなくても、歯の生え方で口ゴボに見えるケースもあります。
歯科用語では「上顎前突」や「上下顎前突」と呼ばれています。
上顎前突:いわゆる出っ歯。前歯が大きく前方に出ている状態。
上下顎前突:上下の前歯が前に突き出している状態。
どちらもガタガタした歯並びよりも目立たず、軽度であるほど歯並びが良く見えやすいのが特徴です。
③唇や皮膚が分厚い
唇や鼻の下の皮膚が厚かったり薄かったりすると、口が前に突き出て見える原因となります。
ただし、唇や皮膚の厚みによって口ゴボに見えるかどうかは、顔のパーツとのバランスによるところが大きいです。
骨格や歯並びとは関係ないため、歯科矯正のみによる改善が難しい場合があります。
④アデノイド肥大
アデノイドとは、鼻の奥とのどの奥にある咽頭扁桃(いんとうへんとう)のことです。これはリンパ組織のかたまりで、そこが肥大化した状態をアデノイド肥大と言います。
アデノイド肥大になると、口元が突き出したり顎と首の境目がわかりにくくなる「アデノイド顔貌」が現れることがあり、横から見ると顎がないように見えてしまいます。
また、鼻づまりやいびき、口呼吸など引き起こすこともあり、歯並びに影響を与えてしまうことがあります。

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口ゴボは見た目のコンプレックスにつながりがちですが、そのほかにも以下のようなリスクがあります。
虫歯・歯周病リスクが高い
口ゴボは虫歯や歯周病のリスクをあげます。
唾液には殺菌作用や自浄作用があります。口ゴボによって口が閉じられないと、口の中が乾燥してしまいます。
結果として、唾液の作用が十分に発揮されず、虫歯や歯周病の原因菌の働きが活発化につながります。
口臭リスクが高い
口ゴボは口臭を悪化させる可能性があります。
口ゴボによって、口内が乾燥し、口腔内が唾液で満たされなくなると、唾液の殺菌作用が働きにくくなります。
結果として、口臭の原因菌の働きが活発になり、口臭リスクが高まる原因になります。
歯が着色しやすい
口ゴボは歯のくすみや黄ばみにつながる可能性があります。
歯の表面は乾燥していると着色しやすくなります。
そのため口ゴボに よって唇が閉じにくくなると、歯の表面が乾燥し、着色しやすい状態になってしまいます。
風邪を引きやすい
口ゴボは、風邪の原因にもなりえます。
本来、鼻呼吸であれば空気中に浮遊する細菌やウイルスを吸い込んだとしても、鼻毛や鼻の粘膜が除去してくれます。
しかし、口ゴボによって唇が閉じられず、口呼吸が癖になってしまうと、細菌やウイルスが直接気道に入る原因になります。
その結果、風邪を引きやすくなることがあります。

口ゴボの治療法は、原因によって変わってきます。
口ゴボの主な原因について、以下のような治療法があります。
歯並びが原因の場合:ワイヤー矯正、マウスピース矯正、セラミッククラウン
骨格が原因の場合:外科的矯正治療、美容整形
それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。
①マウスピース矯正:歯並びが原因で軽度の口ゴボの場合

歯並びが原因の軽度の口ゴボの方にはマウスピース矯正がおすすめです。
マウスピース矯正とは、透明のマウスピースを装着して、少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。
まず、口腔内スキャナーによって得られたデータによって数十枚のマウスピースを作製します。(症状によって作製枚数は異なる)
そして、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきながら、理想的な歯並びを目指します。
マウスピース矯正は基本的に抜歯をしないため、軽度の口ゴボに適した矯正方法と言えます(抜歯をしてからマウスピース矯正を行う場合もあります)。
抜歯をしない分、研磨処置(IPR:歯の表面を少し削る処置)を行って歯が動くスペースを確保します。
②ワイヤー矯正:歯並びが原因で中度〜重度の口ゴボの場合

歯並びが原因の中度〜重度口ゴボの方にはワイヤー矯正がおすすめです。
ワイヤー矯正とは歯にブラケットという器具を装着し、そこにワイヤーを通して適切な力をかけ、歯を動かしていく矯正方法です。
ワイヤー矯正では、矯正装置を装着する場所によって、3つの方法があります。
表側矯正
裏側(舌側)矯正
ハーフリンガル矯正(上顎の歯は裏側矯正・下顎の歯は表側矯正)
口ゴボの程度にもよりますが、小臼歯(前から3番目および4番目)を抜歯して矯正することが多いです。
左右1本ずつ抜歯すると、1.5cmほどのスペースを確保できるため、歯並びが原因の軽度〜中度の口ゴボの治療に適した矯正方法と言えます。
③セラミッククラウン:歯並びが原因で重度の口ゴボの場合

歯並びが原因のひどい口ゴボの方には、セラミッククラウンという治療法があります。
セラミッククラウンとは歯を大きく削り、セラミック(被せ物)をつけることで、歯並びを改善する矯正方法です。
セラミッククラウンによる歯並びの改善は、矯正よりも短期間で終わるなどのメリットがあります。
その一方で、健康な歯を削らなければならないため歯の寿命を短くしてしまう可能性があったり、神経の処置が必要になったりするデメリットもあるため、積極的には行わない歯科医院も多い治療です。
④外科的矯正治療:骨格が原因の口ゴボの場合

骨格が原因の口ゴボの方には外科的矯正治療という治療法があります。
外科的矯正治療とは、顎の骨の手術を行い、噛み合わせを改善する治療です。
具体的には、顎の骨の一部を切除し、切除した分上下の顎を後退させます。
顎を後退させるため「セットバック術」と呼ばれる場合もあります。
外科的矯正治療は、基本的に一般的な歯科矯正と組み合わせて行われます。治療の流れとしては、以下の3段階に分けられます。
術前矯正治療
外科的矯正治療
術後矯正治療
また、顎変形症などの病名がつくような症状の場合、口ゴボの治療は保険適用になるケースがあります。保険適用の費用目安は、外科的矯正治療全体にかかった費用の3割を自己負担するのが一般的です。
しかし、顎変形症は「お口の機能改善」が前提となりますので、それだけではきれいな見た目にすることは難しく、歯列矯正と合わせて行うことがほとんどです。
⑤美容整形:唇や皮膚の分厚さ、アデノイド肥大が原因の口ゴボの場合

美容整形では、鼻や顎に高さを出して口ゴボの改善を図ります。
生まれつき鼻や顎が小さいことにより、相対的に口元が突き出た印象になって口ゴボにつながっているケースもあるからです。
具体的には、鼻や顎にプロテーゼ(シリコン製の人工軟骨)を入れ、理想的なEラインに近づけます。
保険が適用されない代わりにどなたでも受けられますが、「噛み合わせの知識」がない施術者を選ぶと、機能的な問題が生じる可能性もあります。

口ゴボは歯科矯正で治る?治らないケースや費用について徹底解説
口ゴボを自力で治す方法はないものの、ネット上ではさまざまな口ゴボ改善方法が紹介されています。
実際にやってみた人の「口周りがスッキリした!」「唇が楽に閉じられるようになった!」というコメントも見かけますが、口ゴボを根本的に改善したわけではないので一時的なものやむくみなどの表面的な変化がほとんどです。

ネット上でよく見かけるのは以下の方法ですが、自力でするには危険な方法もあります。
①口周りのマッサージ
口ゴボは唇を閉じるのに強い力が必要だったり、口呼吸でぽかんと口が開いていたり口周りの筋肉をうまく使えていない人が多いです。
そこで、指で鼻の下を押したり口周りをほぐすマッサージを行うことで、むくみが取れ口周りがすっきりすることがあります。ただし、この方法で口ゴボが治ることはありません。
②舌回しトレーニング
舌回しトレーニングとは、舌で唇をなぞったり、唇を閉じた状態で歯茎をなぞったりする方法です。
口周りの筋トレによってほうれい線が薄くなったり、滑舌が良くなったりする効果は期待できますが、口ゴボ自体を治すことはできません。
③壁や指で前歯を押す
前に出ている歯を壁や指で押し込む方法です。
一見、出ている歯を引っ込める歯科矯正と同じように思えるかもしれません。しかし歯科矯正では、歯科医師が精密検査を行った上で、歯を動かすスペースや速度、角度など個人に合った方法をミリ単位で計画します。
また、歯を動かすためにマウスピース矯正では20時間以上、ワイヤー矯正では1日中弱い矯正力が歯にかかり続けています。断続的な力がかかることで、少しずつ歯が動いていくのです。
自力で20時間以上歯を押し続けることは、まず不可能ですよね。また押す力のばらつきや押す方向の間違いも考えられます。さらに、そもそも歯が引っ込むスペースがなければ、押しても意味がありません。
自力で歯を押して移動させる方法は、歯や歯茎、顎を傷めたり、歯が折れる危険性さえあります。

自己流のマッサージやトレーニングでは口ゴボの根本解決にはなりませんが、歯科矯正なら口ゴボの原因(出っ歯など)が改善して口元がスッキリ見えることがあります。
結果が出るかわからない自己流トレーニングを続けるよりも、まずは歯科医師にあなたの口ゴボの改善策を相談してみませんか?
④セルフ骨格矯正
セルフ骨格矯正は、YouTubeなどの動画で簡単そうに紹介されていますが、自力で骨格矯正を行う場合は注意が必要です。
一般の人が自力で骨格矯正をする場合、骨格のつくりを意識した力加減や動かす方向などの知識が不足していることが多いです。
爪で皮膚を傷つけたり、顎関節症を引き起こしたり、また悪化させたりする危険があります。
口ゴボの原因は骨格だけでなく歯の傾きや遺伝、顎の大きさなどさまざまなことが組み合わさっています。セルフ骨格矯正だけで口ゴボが治ること はありません。
また、骨格矯正の市販グッズにも要注意。小顔効果やいびき防止の効果をうたっていますが、口ゴボを治すものではありません。
歯並びは良いのに口ゴボなのは骨格や唇の厚みが原因?矯正すべきかを解説

Q. 口ゴボと口呼吸には関係があるの?
口ゴボと口呼吸には関係があります。
口呼吸が習慣になっていると、舌が正しい位置に収まりにくくなります。
この状態は、口まわりの筋肉のバランスが乱れることにつながります。
具体的には、舌の圧力よりも頬の圧力が優位になり、歯が内側に押されることになり、その結果、出っ歯・乱ぐい歯(歯が並びきらず重なっている状態)・開咬(噛み合わせたときに上下の歯の間に隙間が開く状態)などにつながってしまいます。
そして結果として、口ゴボのように見える可能性があります。
Q. 口ゴボだとほうれい線が目立ちやすい?
「口ゴボが原因でほうれい線が気になる」という声をよく耳にしますが、ほうれい線の原因はさまざまなので、必ずしも口ゴボが直接的な要因とは限りません。
とはいえ、口ゴボがほうれい線に影響を与える可能性があるとすれば、その理由として以下の点が考えられます。
口元と頬の境目が目立ちやすい
口輪筋が弱まることで、たるみが生じる
Q. 口ゴボの矯正をしたら横顔美人になれる?
歯並びが原因である口ゴボの場合、歯科矯正をして、横顔美人を目指せます。一方で、歯並びが問題でない場合、外科的矯正や美容整形が必要となるケースもあります。自分の顔が歯科矯正で変わるかどうか気になる方は、まずは歯科医院で相談してみましょう。
Oh my teethでは、無料でカウンセリングと口ゴボの診断ができます。歯科矯正で治るか不安な方は、まずはご相談ください。
Q. 口ゴボでもかわいい・かっこいい人と言われる芸能人はいる?
口ゴボで悩んでいる方は多いですが、芸能人のなかには口ゴボでも「かわいい」「かっこいい」と評価される方が多くいます。
口ゴボでも、適切なメイクや立ち振る舞いによって十分にカバーできることがあります。また、軽度の口ゴボであれば、外科的矯正や美容整形だけでなく、歯科矯正でも改善可能です。

「口ゴボに悩まされている」「口ゴボの原因がわからない」という方は、まずは歯科医院に相談してみることをおすすめします。
今回紹介したように「口ゴボ」といってもさまざまな原因がありますので、あなたの口元の状態を診てもらい、適切な治療方法を提示してもらいましょう。
マウスピース矯正 Oh my teethではドクターによる口腔内診査・レントゲン撮影・3Dスキャンが無料で受けられます。あなたの口ゴボがマウスピース矯正で改善可能かどうか、ドクターの話を聞いてみませんか?
無理な勧誘はいたしませんのでご安心ください。