歯医者の初診料はいくら?治療費目安・持ち物・予約の取り方まで解説
「歯医者の初診料はいくらもっていけばいい?」
「虫歯の治療費はいくらかかるの?」
初診の歯医者は保険適用(3割負担)で5,000円持っていけば安心できますが、治療が終わるまで治療費がいくらかわからないため不安になる方も多いはず。
そこで本記事では、歯医者の初診料や2回目以降、処置別の治療費目安など、歯医者の料金について徹底解説。
当日に必要な持ち物や予約方法、お金がなくて歯医者に行けないときの対処法も紹介しますので、これから初診で歯医者に行く方はぜひ参考にしてください。
目次
- 歯医者の初診料は5,000円持っていくと安心
- 歯医者の初診費用の内訳
- ケース別で見る虫歯治療の費用目安
- 初期虫歯の場合:1,000~3,000円程度
- 穴があいている虫歯の場合:1,000円~6万円程度
- 神経まで到達した虫歯の場合:1万円~10万円程度
- 抜歯が必要な場合:3,000~7,000円程度
- 歯医者の初診料が高くなる3つのケース
- 歯科治療の中断
- 他の歯医者への受診
- 紹介状無しでの大学病院への受診
- 再診の場合は4,000円持っていくと安心
- 歯医者の治療費は処置内容によって変わる
- 初診料についてよくある質問
- 歯医者の初診は保険証がないと費用は10割負担になる?
- 初診の歯医者は何を持っていけばいい?
- 初診の歯医者は予約してから受診する
- 虫歯が進行する前に早めの受診がおすすめ
結論から言うと、歯医者の初診時の治療費は3割負担の方であれば、「5,000円」を持って行けばほとんどのケースで足ります。
ちなみに、保険診療は全国どこの歯医者に行っても同じ金額で受けられますが、負担額は年齢や収入などに応じて1~3割負担になります。
75歳以上1割(現役並みの所得者は3割)
70~74歳まで2割(現役並みの所得者は3割)
70歳未満3割
6歳未満2割(自治体によっても異なる)
歯科治療は問題がある歯だけを治すのではなく、お口の全体を見ながら治療計画を立てることが重要です。そのため、歯医者の初診は緊急を要する場合を除き、治療は後日に行われるのが一般的です。
初診時は検査やカウンセリング、クリーニングを中心に行われます。治療前にクリーニングをすることで細菌の数を減らし、治療の予後を良好にするための準備をします。そのため、歯医者の初診料は、5,000円程度でおさまることが多いです。
ただし、歯科医院の方針により、初診時に唾液検査やCT撮影などを推奨しているところは1万円近くなることもあります。
また、自由診療だと費用は歯医者によって異なるため、気になる場合は事前に確認することをおすすめします。
歯医者での初診はまず問診から始まり、お口の中がどのような状態なのか虫歯や歯周病の検査、レントゲン撮影を行います。これらの資料を採取してからドクターが治療計画を立てて、適切な処置を行うケースがほとんどです。
ここでは、28本の歯がある30代の患者さんが、歯周病の治療を希望したときの初診料(点数)の例を紹介します。(2023年8月時点の保険点数)
保険点数は医療行為ごとに決められており、「1点=10円」として計算されます。そのため保険診療であれば、全国どの歯医者で治療を受けても同じ金額となります。
初診料 | 264点 |
---|---|
レントゲン撮影(パノラマ) | 402点 |
歯周病精密検査 | 400点 |
歯周病患者画像活用指導料 | 50点 |
歯科衛生士実地指導 | 80点 |
スケーリング(上下全部の歯) | 262点 |
機械的歯面清掃処置 | 72点 |
歯科疾患管理料 | 110点 |
合計 | 1,640点(3割負担4,920円) |
※糖尿病などに罹患している場合、医学管理料が別途生じることがあります。上記の治療費はあくまで目安として捉えましょう。※保険点数は2年ごとに見直されるため、費用は変動する可能性があります。※2023年4月からオンライン資格確認システムが導入されています。マイナンバーカードを読み取れるカードリーダーを設置している歯科医院では、医療情報・システム基盤整備充実体制加算が算定されます。初診時はマイナンバーカードを利用しない場合6点、利用する場合は2点です。※令和6年度より「外来環」が廃止され、初診料・再診料に「歯科外来診療医療安全体制加算」と「歯科外来診療感染対策加算」が新たに加わります。これは歯医者が特定の医療安全対策と感染防止対策を行っている場合に適用されるものです。
初診料の内訳を詳しく解説
初診料(264点)
初めてクリニックを受診するときにかかる費用です。施設基準の届け出をしていない場合、240点になりますが、多くの歯科医院は届け出をしています。
レントゲン撮影(パノラマ)(402点)
歯周病や虫歯、顎の関節の状態を診査するためにレントゲンを撮影するための費用です。レントゲン撮影には、2~3本の歯を撮影するデンタルと、歯並び全体を撮影するパノラマがあります。初診時はパノラマ撮影を行うケースが多いです。
歯周病精密検査(400点)
歯周ポケットの深さや歯ぐきからの出血、歯の動揺度をチェックします。歯の本数や検査方法によって点数が異なります。
歯周病患者画像活用指導料(50点)
お口の中のお写真を撮影して患者さんに指導を行うときにかかる費用です。1枚(10点)から最大5枚まで算定できます。
歯科衛生士実地指導(80点)
歯科衛生士が歯垢(プラーク)の染め出しを行い、歯磨き指導などを15分間行った際にかかる費用です。指導内容に関する文書が患者さんに交付されます。
スケーリング(上下全部の歯)(72+38×5=262点)
歯垢の溜まる要因となる歯石を歯科医院の専用器具で取り除くための費用です。上下顎の前歯と左右奥歯の計6ブロックでスケーリングを行うと最大262点です。
機械的歯面清掃処置 (68点)
歯周病の原因となる歯垢を専門的器具で除去するための費用です。
歯科疾患管理料(110点)
患者さんの歯周病や虫歯を継続的に管理するための費用です。文書の交付(10点)が不要であれば、少しだけ費用が安くなります。
上記の検査や処置を全て行った場合、合計点数は1,640点。3割負担の場合4,920円になります。
ここでは歯石除去を上下全部の歯で計算しましたが、クリニックの治療方針などによっても1回の治療費が異なるので、受診する際はできるだけ多めに現金を持っていくようにしましょう。
虫歯治療の場合、虫歯がどのくらい進行しているかによって費用は異なります。以下は虫歯治療でかかる目安費用です。
初期虫歯の場合:1,000~3,000円程度
穴があいている虫歯の場合:1,000円~6万円程度
神経まで到達した虫歯の場合:1万円~10万円程度
抜歯が必要な場合:3,000~7,000円程度
詰め物や被せ物をする場合、保険診療か自由診療かで費用は大きく異なります。
初期虫歯の場合:1,000~3,000円程度
初期虫歯の場合は、治療の必要がなくクリーニングで済むことが多いため、1回につき1,000~3,000円程度です。
穴があいている虫歯の場合:1,000円~6万円程度
小さな穴があいている虫歯の場合は、歯を削って「コンポジットレジン」と呼ばれる樹脂を詰める処置を行います。使用する材料や削る範囲によって異なりますが、1歯につき1,000~1,500円程度かかります。
治療 例①コンポジットレジン充填(隣接面を含まないもの)
即時充填形成 | 128点 |
充填1(単純なもの) | 106点 |
歯科充填用材料Ⅰ | 11点 |
合計 | 245点(3割負担735円) |
※2024年3月時点の保険点数。※再初診料・管理料は含んでいません。
治療例②コンポジットレジン充填(隣接面を含むもの)
即時充填形成 | 128点 |
充填1(単純なもの) | 158点 |
歯科充填用材料Ⅰ | 29点 |
合計 | 315点(3割負担930円) |
※2024年3月時点の保険点数。※再初診料・管理料は含んでいません。
また、虫歯の範囲が広い場合は、歯を削り、型取りして詰め物を作る治療を行います。
保険診療では「インレー」と呼ばれる、金銀パラジウム合金やプラスチックとセラミックの混合材料で作られた詰め物が使用されます。小臼歯と大臼歯では費用が異なり、目安は2,600~5000円程度です。
ただし、自由診療のセラミックなどを選択する場合は、3万~6万円程度かかることもあります。
神経まで到達した虫歯の場合:1万円~10万円程度
神経まで到達した虫歯は、削るだけでは対応できず、神経の治療(根管治療:こんかんちりょう)と被せ物が必要です。保険適用内であっても、トータルで1万円以上かかることがあります。
近年では、銀歯の被せ物のほかに、CAD/CAM冠(白い被せ物)が保険診療になりました。CAD/CAM冠を選択した場合は、被せ物の費用だけで9,000円程度かかることがあります。
また、セラミックやジルコニアなど、より自然な見た目と耐久性がある材料を選んだ場合は、自由診療となり、素材によって5万~10万円程度かかります。
抜歯が必要な場合:3,000~7,000円程度
虫歯がかなり進行し、歯が崩壊している場合は抜歯が必要になることが多いです。抜歯自体は、3,000~7,000円程度です。
ただし、抜歯後は入れ歯やブリッジ、インプラントなど歯を補う治療を行わなければなりません。
保険診療であれば1万円程度で済むことが多いですが、インプラントやセラミックのブリッジなど、自由診療の治療法を選択すると10万~50万円かかることもあります。
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ここまで、歯医者の初診 料と虫歯の治療費について解説しました。
実は、治療を開始したら継続的に受診しないと、再度初診料がかかってしまうことがあります。ここでは、歯医者の初診料が高くなるケースを3つ紹介します。
歯科治療の中断
治療を開始したものの、何らかの理由で3ヶ月以上治療を中断した場合は、再診扱いにならず改めて初診料が必要になることがあります。
他の歯医者への受診
受診している歯医者とは別の場所で治療を受ける場合は、お口の状態を把握する必要があるため、新たに初診料が発生します。