インビザラインとは?ほかのマウスピース矯正との違いやおすすめの人を解説

「インビザラインとは?」「費用は高い?」「失敗しない?」。マウスピース矯正を検討し始めた方の多くが、こんな疑問や不安を感じています。
国内シェアNo.1のインビザラインは、多くの歯科医院で導入されている定番のブランドですが、自分に合っているのか、費用に見合う効果があるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インビザラインの特徴や料金の目安、他ブランドとの違い、そして注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。
後悔のない矯正治療のために、ぜひ参考にしてみてください。

目次
- インビザラインとは?4つの特徴を紹介
- 特徴①世界で1,400万人以上が使用していて、実績が豊富
- 特徴②治療前に歯の動きを3Dで確認できる
- 特徴③歯と歯茎にフィットするカスタムメイド仕様
- 特徴④必要な時に取り外し可能
- インビザライン矯正で歯が動く仕組み
- 【費用・症例別】インビザラインが用意している6つのプラン
- 【重度】インビザライン コンプリヘンシブ:70~100万円
- 【中度】インビザライン モデレート:50~90万円
- 【軽度】インビザライン ライト:40~80万円
- 【ごく軽度】インビザライン エクスプレス:20~40万円
- 【別ライン】インビザライン Go・インビザライン ファースト
- インビザラインがおすすめの人
- 矯正装置が目立つのが嫌な人
- なるべく通院頻度を下げたい人
- 矯正中も矯正前のように食事を楽しみたい人
- 矯正だけでなくホワイトニングもしたい人
- 近所のクリニックに通いたい人
- インビザライン矯正のリスクや注意点
- 歯肉退縮
- ブラックトラインアングル
- 矯正開始直後やマウスピース交換時に痛みやすい
- 装着時間の管理が必要
- ワイヤー矯正より適応範囲が狭い
- 抜歯の代わりに歯を削ることがある
- アタッチメントを装着することがある
- インビザライン矯正の症例
- 症例①出っ歯
- 症例②すきっ歯
- 症例③ガタガタの歯並び
- 症例④受け口
- 【インビザライン治療を始める前に】クリニック選びのポイントを解説
- インビザライン矯正できるかどうか検査を受けてみよう

インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が提供する、マウスピース型矯正治療システムです。従来のワイヤー矯正とは違い、透明なマウスピース型を歯に装着して歯を動かします。
以下では、インビザラインの代表的な4つの特徴について、詳しく解説していきます。
特徴①世界で1,400万人以上が使用していて、実績が豊富
インビザラインは、1999年にアメリカで誕生し、現在では100ヶ国以上の歯科医院で導入されています。
世界中で1,400万人以上が治療に使用している、世界トップシェアのマウスピース矯正ブランドです。
世界トップクラスの実績を誇るインビザラインは、長年にわたり蓄積された豊富な症例データを保有しています。
症例数が多いことで、AIによる歯の動きの予測精度や治療計画の質が年々向上しており、軽度から重度の症例まで幅広く対応できる柔軟性が強みです。
特徴②治療前に歯の動きを3Dで確認できる
インビザラインでは、治療を始める前に専用のソフトウェアを使って歯の動きのシミュレーションを行います。
現在の歯並びをもとに、どのように歯が動いていくのか、最終的にどのような見た目になるのかを、3D画像で事前に確認できるのが大きな特徴 です。
このシミュレーションは、患者一人ひとりの歯型や咬み合わせをもとに作成されるため、治療ゴールのイメージが具体的にわかりやすくなり、納得感をもって治療を始められるというメリットがあります。
また、歯科医師とゴールを共有することで、途中経過の確認や治療方針のすり合わせもスムーズに行えます。
見た目の変化を事前に可視化できるこの機能は、インビザラインを始める上での大きな安心材料となるでしょう。
特徴③歯と歯茎にフィットするカスタムメイド仕様
インビザラインのマウスピースは、患者一人ひとりの歯型に合わせてオーダーメイドで作製されるのが特徴です。
治療開始前に歯型をスキャンし、そのデータをもとに個別に設計されたマウスピースが、段階ごとに用意されます。
このようなカスタムメイド仕様により、歯や歯茎にしっかりとフィットし、装着時の違和感が少ないのがメリットです。
しっかりフィットすることで、歯に加わる力が均等になり、計画通りに歯が動きやすくなるといった効果も期待できます。
特徴④必要な時に取り外し可能
インビザラインの大きな魅力のひとつが、自分の意思でマウスピースを取り外せることです。
固定式のワイヤー矯正とは異なり、食事や歯磨き、特別なイベントなどの際に自由に外すことができます。
これにより、普段通りの食事を楽しめるだけでなく、歯のケアもこれまでと同じように行えるため、虫歯や歯周病のリスクを抑えやすいというメリットがあります。
また、インビザライン自体の洗浄や交換も容易で、衛生面にも配慮された設計です。
ただし、装着時間は1日20〜22時間が推奨されており、外している時間が長すぎると、治療の進行に影響が出る可能性もあります。計画通りに進めるためには、自己管理が重要になる点も覚えておきまし ょう。

インビザライン矯正では、専用のマウスピース(アライナー)を一定期間ごとに交換することで、歯を少しずつ理想的な位置へと動かしていきます。
この「歯が動く仕組み」は、実はワイヤー矯正と同じく、「歯根膜」と「歯槽骨(しそうこつ)」の働きによるものです。
歯は、「歯槽骨」という骨に「歯根膜」という薄い組織を介して支えられています。矯正装置で一定の力を加えると、歯根膜の片側が圧迫されて縮み、反対側が引っ張られて伸びる状態になります。
体はこのアンバランスを補おうとして、縮んだ側の骨を吸収し、伸びた側に新しい骨をつくるという働きをします。これを繰り返すことで、歯が少しずつ動いていくのです。
インビザラインの場合は、あえて現在の歯並びとは少しだけズレた形にマウスピースを設計し、そのズレが歯に持続的な力を与えることで、移動を促します。
1枚のマウスピースで動かせる距離はわずか0.25〜0.35mm程度ですが、約1〜2週間ごとに次のステップのマウスピースへ交換することで、歯を段階的に理想の位置へ近づけていきます。
このように、体の自然な組織反応を利用しながら、少しずつ歯並びを整えていくのが、インビザライン矯正の基本的なメカニズムです。

インビザラインは、歯並びの状態や治療範囲に応じて6種類のプランを用意しています。軽度な部分矯正から、全体的に大きく歯並びを整える重度の矯正まで、症例に合わせて最適なプランを選べるのが特徴です。
ここからは、インビザラインが提供している各プランの概要と、目安となる費用感を症例別にご紹介します。
【重度】インビザライン コンプリヘンシブ:70~100万円
「インビザライン コンプリヘンシブ」は、最も対応範囲が広いフルプランで、重度の歯並びの乱れに対応できる矯正コースです。
費用の目安は70〜100万円程度ですが、選ぶクリニックや診療体制によって変動します。
他のプランと比べてより細かい調整や仕上がりの精度にもこだわることができるため、矯正の完成度を重視したい方や、ワイヤー矯正と同レベルの治療を希望する方に選ばれる傾向があります。
【中度】インビザライン モデレート:50~90万円
「インビザライン モデレート」は、中等度の歯並びの乱れに対応するプランです。
前歯だけでなく、ある程度奥歯の位置や噛み合わせも調整が必要なケースに適しており、全体矯正と部分矯正の中間的な位置づけとなります。
費用の目安は50〜90万円程度で、症例の難易度や通院する歯科医院によって異なります。
コンプリヘンシブほど本格的ではないものの、治療の自由度や仕上がりを重視したい方にとって、バランスの取れた選択肢といえるでしょう。
【軽度】インビザライン ライト:40~80万円
「インビザライン ライト」は、軽度の 歯並びの乱れに対応したプランで、前歯のデコボコやわずかなすき間など、比較的シンプルな症例に適しています。
たとえば、「前歯のねじれが気になる」「少しだけ歯並びを整えたい」といった場合に選ばれることが多く、短期間で治療が完了するケースもあるのが特徴です。
費用の目安は40〜80万円程度で、歯並びの状態や通院先の方針により差が出る場合もあります。
【ごく軽度】インビザライン エクスプレス:20~40万円
「インビザライン エクスプレス」は、非常に軽度な歯並びの乱れに対応した最もシンプルなプランです。
主に前歯のみを対象とした部分矯正で、対応できる範囲は限られますが、そのぶん費用を抑えつつ短期間で治療を終えられる可能性があります。
費用の目安は20〜40万円程度と、インビザラインの中でももっともリーズナブルで、「あと少しだけ整えたい」「前歯だけきれいにしたい」というニーズに応えるプランといえるでしょう。
【別ライン】インビザライン Go・インビザライン ファースト
インビザラインには、症例の内容や年齢に応じた専用のラインも用意されています。その代表が「インビザライン Go」と「インビザライン ファースト」です。
インビザライン Goは、奥歯を除く計20本を対象とした部分矯正用プランで、比較的シンプルな症例に適しています。矯正期間を短く抑えたい方や、費用をできるだけ抑えたい方に向いています。
一方のインビザライン ファーストは、成長期にある子ども(6歳〜10歳頃)を対象とした小児用プランです。歯が永久歯に生え変わる途中の段階から、将来の歯並びを見据えて整えていくことができます。

【2025年版】インビザラインの費用相場はいくら?クリ ニック10院調査
インビザラインは、見た目の自然さや日常生活への負担の少なさから、多くの人に支持されています。
以下では、インビザライン矯正が特におすすめできる5つのタイプについて紹介します。
矯正装置が目立つのが嫌な人
人前に出る仕事をしている方や、見た目に敏感な方にとって、矯正装置の“目立ちやすさ”は大きな不安要素です。
特にワイヤー矯正では、金属のブラケットが目立ちやすく、「笑ったときに見られるのが気になる」「写真写りが悪くなるのでは」といった声も少なくありません。
その点、インビザラインは透明なマウスピースを使用するため、装着していても気づかれにくいのが魅力です。
口元の印象を大きく変えることなく矯正ができるため、自然な見た目を保ちながら歯並びを整えたい方には特におすすめです。
なるべく通院頻度を下げたい人
仕事や育児で忙しく、「頻繁に通院するのは難しい」という方にとって、通院頻度の少なさは矯正を続ける上で大きなポイントです。
ワイヤー矯正では、歯科医師によるワイヤー調整のために月1回程度の通院が必要になりますが、インビザラインは1〜2週間ごとにマウスピースを自分で交換しながら矯正を進めていきます。
もちろん、治療の進行状況を確認するために歯科医院でのチェックは必要ですが、1〜3ヶ月に1回程度の通院で済む場合が多く、ワイヤー矯正よりもスケジュールの柔軟性が高い点がメリットです。
結果として、ライフスタイルに無理なく合わせながら治療を継続でき、通院の手間を減らしたい方にはインビザラインが適しています。