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最終更新日:2025年7月18日

口ゴボとは?セルフチェックの方法・原因・改善方法をわかりやすく解説

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ふと写った横顔に違和感を覚えたことはありませんか?

口元が前に出て見える「口ゴボ」は、骨格や歯並びなどさまざまな原因があり、治療法も人によって異なります。

中には「マッサージで治せる」といった情報もありますが、自己流の対処は症状を悪化させるおそれも。

この記事では、口ゴボのセルフチェック方法や主な原因、放置によるリスク、改善方法を歯科医師監修でわかりやすく解説します。

「自分も口ゴボかも?」と気になった方はぜひ参考にしてください。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

口ゴボとは?

口ゴボ

口ゴボとは、横から見たときに口元が前方へ突き出している状態のこと。

具体的には「上下の唇が鼻先やあごよりも前に出ている」ように見える場合に、「口ゴボ」と呼ばれることがあります。

ただし、口ゴボは正式な診断名ではなく、見た目の印象をあらわす通称です。

正面から見ると歯並びが整っていても、横顔で見ると口元だけがポコッと盛り上がっているケースも少なくありません。

こうした特徴から、口ゴボかどうかを判断するには、正面だけでなく横顔のバランスに注目することが大切です。

口ゴボのセルフチェック方法

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口ゴボかどうかチェックするには、人差し指を鼻先と顎先に当ててみましょう。

人差し指を鼻先と顎先に当てたときに、口元が人差し指で押し潰される場合は口ゴボの可能性があります。

上記の左のイラストのようにEライン(人差し指のライン)の内側、もしくはライン上に口先がある状態が美しい横顔だとされています。横顔を写真で撮ってみるとチェックしやすいでしょう。

ほかにも、下記のどれかに当てはまる方は口ゴボの可能性が疑われます。

  • 口が閉じにくい

  • 口を閉じたときに下顎に梅干しのようなシワができる

  • 口を閉じたときに鼻の下が長い

  • 口元が盛り上がっている

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口ゴボの原因4選

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口ゴボの原因として広く知られているのは、出っ歯などの歯並びの乱れですが、口ゴボと言ってもさまざまな状態があり、なかには歯並びに問題がなくても口ゴボになっている場合もあります。

歯並びに問題がない口ゴボは歯科矯正では治らないので注意が必要です。

①骨格

遺伝や生まれつきの骨格、歯の大きさやバランスによって、口ゴボに見えてしまう場合があります。

口ゴボになりやすい例は、以下の通りです。

口ゴボになりやすい例
  • 上顎が下顎よりも大きすぎる

  • 下顎が上顎よりも小さすぎる

  • 歯の大きさが顎に対して大きすぎる

  • 顎全体が狭すぎる

このように、上下の顎のバランスが悪いと口ゴボに見えてしまう場合も。

上下の顎のアンバランスは幼少期からの顎の発達過程における口呼吸や指しゃぶりの癖が原因の場合があります。

②歯の生え方

歯並びに問題がなくても、歯の生え方で口ゴボに見えるケースもあります。

例えば「上顎前突」や「上下顎前突」などの場合です。

口ゴボに見えるケース
  • 上顎前突:いわゆる出っ歯。前歯が大きく前方に出ている状態。

  • 上下顎前突:上下の前歯が前に突き出している状態。

どちらもガタガタした歯並びよりも目立たず、軽度であるほど歯並びが良く見えやすいのが特徴です。

③唇や皮膚が分厚い

唇や鼻の下の皮膚が厚かったり薄かったりすると、口が前に突き出て見える原因となります。

ただし、唇や皮膚の厚みによって口ゴボに見えるかどうかは、顔のパーツとのバランスによるところが大きいです。

骨格や歯並びとは関係ないため、歯科矯正のみによる改善が難しい場合があります。

④アデノイド肥大

アデノイドとは、鼻の奥とのどの奥にある咽頭扁桃(いんとうへんとう)のことです。これはリンパ組織のかたまりで、そこが肥大化した状態をアデノイド肥大と言います。

アデノイド肥大になると、口元が突き出したり顎と首の境目がわかりにくくなる「アデノイド顔貌」が現れることがあり、横から見ると顎がないように見えてしまうのです。

また、鼻づまりやいびき、口呼吸など引き起こすこともあり、歯並びに影響を与えてしまうことがあります。

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口ゴボを放置するとどうなる?見た目と健康のリスク

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口ゴボは見た目のコンプレックスにつながりがちですが、そのほかにも以下のようなリスクがあります。

口ゴボを放置するリスク
  • 老けて見える・ほうれい線が目立つ

  • 虫歯・歯周病リスクが高い

  • 口臭リスクが高い

  • 歯が着色しやすい

  • 風邪を引きやすい

老けて見える・ほうれい線が目立つ

口ゴボの状態では口元が前に出て見えるため、顔の立体感が失われ、実年齢より老けた印象を与えやすくなります。

また、唇の下に影ができやすく、ほうれい線が強調されやすいのも特徴です。

また無意識に口元に力が入りやすいため、シワが定着しやすいのも注意が必要。

年齢より老けて見られるのが気になる方は、早めに原因を確認しておくのがおすすめです。

虫歯・歯周病リスクが高い

口ゴボは虫歯や歯周病のリスクをあげます。

口ゴボによって口が閉じられないと、口の中が乾燥してしまい、唾液の殺菌作用や自浄作用がうまく働きません。

その結果、虫歯や歯周病の原因菌が増殖しやすい状態になり、お口の中のトラブルが起こりやすくなります。

口臭リスクが高い

口ゴボは口臭を悪化させる可能性があります。

口が閉じにくくなることで口内が乾燥しやすくなり、唾液による殺菌・自浄作用が十分に働かなくなるためです。

その結果、口臭の原因菌が増殖しやすくなり、ニオイが気になる場面が増えてしまうことも。

とくに朝起きたときや緊張する場面で口臭を感じやすい方は、口ゴボの影響を疑ってみてもよいかもしれません。

歯が着色しやすい

口ゴボは、歯のくすみや黄ばみを目立たせる原因になることがあります。

理由は、口が閉じにくくなることで唇に覆われない時間が増え、歯の表面が乾燥しやすくなるからです。

乾いた歯は、コーヒーやお茶などの色素が付着しやすく、着色汚れが残りやすい状態になります。

「最近、歯の黄ばみが気になる…」という方は、歯並びや口元のバランスが関係している可能性も。

見た目の印象に関わるポイントだからこそ、早めに確認しておきましょう。

風邪を引きやすい

口ゴボは、風邪を引きやすくなる原因のひとつです。

口が閉じにくくなることで口呼吸が習慣化し、外から入る細菌やウイルスをそのまま吸い込みやすくなるためです。

本来であれば、鼻毛や粘膜が空気中の異物をブロックしてくれますが、口呼吸ではそうした防御機能が働きません。

その結果、のどに直接刺激が加わり、感染症にかかりやすくなる可能性が高まります。

とくに風邪をひきやすい方は、口元の状態が関係しているかもしれません。

口ゴボの治し方

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口ゴボの治療法は、原因によって異なります。

口ゴボの主な原因別の治療法はこちらです。

口ゴボの治療法
  • 歯並びが原因の場合:ワイヤー矯正、マウスピース矯正、セラミッククラウン

  • 骨格が原因の場合:外科的矯正治療、美容整形

それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。

歯並びが原因で軽度の口ゴボ▶マウスピース矯正

歯並びが原因の軽度の口ゴボには、マウスピース矯正が適しています。

マウスピース矯正とは、透明のマウスピースを装着し、少しずつ歯を動かしていく矯正方法

口腔内スキャナーで取得したデータをもとに数十枚のマウスピースを作製し、1〜2週間ごとに新しいものへ交換しながら理想的な歯並びを目指します(※作製枚数は症状によって異なります)。

基本的に抜歯を行わず、必要に応じて歯の表面をわずかに削る「IPR(研磨処置)」によってスペースを確保。

このように非抜歯で治療できる点が、軽度の口ゴボに向いている理由のひとつです。

軽度の口ゴボにマウスピース矯正が適しているかは、歯並びや骨格によって異なります。

Oh my teeth では30分の無料診断を実施中。歯科医師が、あなたに合った治療法を丁寧にアドバイスします。気になる方は、まずはお気軽に相談してみてください。

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歯並びが原因で中度〜重度の口ゴボ▶ワイヤー矯正

歯並びが原因の中度〜重度の口ゴボには、ワイヤー矯正が適しています。

ワイヤー矯正とは、歯に「ブラケット」と呼ばれる器具を装着し、そこにワイヤーを通して歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。

装置の装着位置によって、以下の3つのタイプがあります。

  • 表側矯正(歯の表面に装着)

  • 裏側(舌側)矯正(歯の裏側に装着)

  • ハーフリンガル矯正(上顎は裏側、下顎は表側)

口ゴボの程度にもよりますが、スペースを確保するために小臼歯(前から3番目または4番目)を左右1本ずつ抜歯するケースが多く見られます。

抜歯によって生まれたスペースを利用し、歯並びを整えるとともに口元の突出感を改善することが可能です。

歯並びが原因で重度の口ゴボ▶セラミッククラウン

歯並びが原因の重度の口ゴボに対しては、セラミッククラウンという選択肢もあります。

セラミッククラウンは、歯を大きく削って形を整えたうえで、セラミック製の被せ物を装着し、歯並びや口元の印象を整える治療法です。

見た目の変化が大きく、比較的短期間で完了するという特徴があります。

ただし、健康な歯を大きく削る必要があり、場合によっては神経の処置が必要になることも。

そのため、歯の寿命を縮めてしまうリスクがある点には注意が必要です。口元の印象を整える目的でセラミック治療を行う場合は、歯科医師とよく相談し、慎重に判断しましょう。

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骨格が原因の口ゴボ▶外科的矯正治療

骨格が原因で口元が大きく前に出ている場合には、外科的矯正治療(外科手術+歯列矯正)という選択肢があります。

外科的矯正治療では、顎の骨を切除・移動して位置を整えることで、噛み合わせや顔の輪郭を改善します。

特に口元の突出が著しい場合には、顎の骨を後ろに下げる「セットバック術」などが行われることも。

治療は通常の矯正治療と組み合わせて進めるのが一般的で、以下の3つのステップで行われます。

  • 術前矯正(歯列を整える準備)

  • 外科手術(顎の骨を移動)

  • 術後矯正(噛み合わせや歯列の微調整)

なお、顎変形症と診断されると保険が適用されるケースもあります。

ただし、保険診療はあくまで「機能改善」が目的であり、審美的な仕上がりを希望する場合は、自費での追加治療が必要です。

外科的矯正治療は、口元の印象を大きく変えられる有効な手段ですが、手術にともなうリスクやダウンタイムもあるため、歯科医師との十分な相談が欠かせません。

唇や皮膚の分厚さ、アデノイド肥大が原因の口ゴボ▶美容整形

鼻や顎が小さいと、口元が相対的に前に出て見えることがあります。

そのほか、唇や皮膚の厚み、アデノイド肥大が影響しているケースも少なくありません。

こうした場合には、美容整形で顔全体のバランスを調整するという手段もあります。

たとえば鼻や顎にプロテーゼ(人工軟骨)を入れることで、口元の突出感を目立ちにくくする効果が期待されます。

ただし、美容整形は見た目の改善を目的とした施術であり、噛み合わせを整えるものではありません。

さらに、施術者の知識や技術によって仕上がりが左右されるため、リスクも考慮する必要があります。

顔全体の印象を変えたい場合の選択肢として有効ですが、安易に決めず、信頼できる医師とよく相談しましょう。

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口ゴボに関するよくある質問(FAQ)

ネット上の「口ゴボを自力で治す方法」は効果ありますか?

結論から言うと、口ゴボを自力で治す方法はありません。しかし、ネット上ではさまざまな口ゴボ改善方法が紹介されています。

実際にやってみた人の「口周りがスッキリした!」「唇が楽に閉じられるようになった!」というコメントも見かけますが、口ゴボを根本的に改善したわけではないので一時的なものやむくみなどの表面的な変化がほとんどです。

自力でやるには危険な方法もあるので注意してください。

①口周りのマッサージ|むくみ解消にはOKでも根本改善はできない

口ゴボは唇を閉じるのに強い力が必要だったり、口呼吸でぽかんと口が開いていたり口周りの筋肉をうまく使えていない人が多いです。

そこで、指で鼻の下を押したり口周りをほぐすマッサージを行うことで、むくみが取れ口周りがすっきりすることがあります。

ただし、この方法で口ゴボが治ることはありません。

②舌回しトレーニング|口周りの筋トレにはなるが口ゴボ改善はできない

舌回しトレーニングとは、舌で唇をなぞったり、唇を閉じた状態で歯茎をなぞったりする方法です。

口周りの筋トレによってほうれい線が薄くなったり、滑舌が良くなったりする効果は期待できますが、口ゴボ自体を治すことはできません。

③前歯を押す・壁に顔をつける|歯並びや顎に悪影響のリスクあり

前に出ている歯を壁や指で押し込む方法は、一見すると歯科矯正と似ているように見えるかもしれません。

しかし実際の矯正治療では、歯科医師が精密検査を行い、歯を動かすスペースや方向、力の強さなどをミリ単位で計画します。

さらに、歯が動くには弱い力を長時間かけ続ける必要があり、マウスピース矯正では1日20時間以上、ワイヤー矯正では常に力がかかっています。

一方で、自力で20時間以上歯を押し続けることはまず不可能です。

力のかけ方や方向が不適切であれば、かえって歯並びを悪化させるリスクも。

無理に歯を押すと、歯や歯茎、顎を傷つけたり、最悪の場合は歯が折れることさえあります。

④セルフ骨格矯正|絶対NG!専門知識のない力加減は危険

YouTubeなどで紹介されている「セルフ骨格矯正」は、一見簡単そうに見えるかもしれません。

しかし、専門的な知識がないまま力を加えるのは非常に危険です。

骨格の構造や動かす方向を理解せずに行うと、爪で皮膚を傷つけたり、顎関節症を引き起こすおそれがあります。

また、口ゴボの原因は骨格だけでなく、歯の傾きや遺伝、顎の大きさなど複数の要因が絡んでいるため、自己流で改善できるものではありません。

さらに市販されている骨格矯正グッズも要注意です。

小顔効果やいびき対策をうたっていても、口ゴボを根本から改善する効果は期待できません。

ロゴボの正しい読み方は?

口ゴボは「くちごぼ」と読むのが正しい読み方です。

「口(くち)」と、口元が前に出ている様子を表す「ゴボ」を組み合わせた造語で、主に見た目の特徴を示す俗称として使われています。

まれに「ろごぼ」と読まれることもありますが、これは「口」という漢字をカタカナの「ロ」と見間違えたことが原因です。

口ゴボは正式な医学用語ではありませんが、「くちごぼ」という読み方が一般的に浸透しています。

口ゴボと口呼吸には関係があるの?

口ゴボと口呼吸には関係があります。

口呼吸が続くと、舌が本来の正しい位置(上あご付近)に収まりにくくなり、口まわりの筋肉バランスが乱れがちです。この状態では、舌の力よりも頬の内側からの圧力が優位になり、歯列が内側へ押されるかたちに。

結果として、出っ歯や乱ぐい歯、開咬といった噛み合わせの乱れが生じやすくなり、横顔が口ゴボのように見えてしまうこともあります。

見た目の問題だけでなく、普段の呼吸習慣が関係しているケースもあるため注意が必要です。

口ゴボだとほうれい線が目立ちやすい?

「口ゴボが原因でほうれい線が気になる」という声をよく耳にしますが、ほうれい線の原因はさまざまなので、必ずしも口ゴボが直接的な要因とは限りません

とはいえ、口ゴボがほうれい線に影響を与える可能性があるとすれば、その理由として以下の点が考えられます。

  • 口元と頬の境目が目立ちやすい

  • 口輪筋が弱まることで、たるみが生じる

口ゴボの矯正をしたら横顔美人になれる?

歯並びが原因である口ゴボの場合、歯科矯正をして、横顔美人を目指せます

一方で、歯並びが問題でない場合、外科的矯正や美容整形が必要となるケースも。

自分の顔が歯科矯正で変わるかどうか気になる方は、まずは歯科医院で相談してみましょう。

口ゴボでもかわいい・かっこいい人と言われる芸能人はいる?

口ゴボで悩んでいる方は多いですが、芸能人のなかには口ゴボでも「かわいい」「かっこいい」と評価される方が多くいます。

口ゴボでも、適切なメイクや立ち振る舞いによって十分にカバー可能です。また、軽度の口ゴボであれば、外科的矯正や美容整形だけでなく、歯科矯正でも改善できます。

口ゴボに悩んでいるなら、まずは専門家に相談を

カウンセリング

口ゴボは、見た目だけでなく健康面にも影響することがあるため、気になった時点で早めに向き合うことが大切です。

とはいえ、「いきなり治療はちょっと不安…」「他の医院と比べてじっくり検討したい」という方も多いはず。

そんな方は、初期費用ゼロで始められる無料相談を活用してみてはいかがでしょうか?

まずは気軽に、自分に合った治療法を知るところから始めてみてくださいね。

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