インビザラインで噛み合わせに違和感!悪くなったと感じる原因や対処法を紹介
噛み合わせでお悩みではありませんか?中にはせっかく歯並びを治したくてインビザラインを選択したのに、このまま違和感が続いたらどうしようと不安な人もいらっしゃるでしょう。
実はインビザラインは治療過程で噛み合わせがずれて、一時的に食べ物が噛みにくくなることがあります。
通常は、治療を進めていくうちに正しく噛めるようになります。
しかし、マウスピースの装着時間を守れない場合は、噛み合わせが悪化することも。
そこで本記事では、ピュアリオ歯科・矯正歯科 の湊 寛明先生監修のもと 、インビザラインで噛み合わせに違和感を抱いた方に向けて、「どのような噛み合わせを治せるのか」「悪化することはあるのか」など原因や対処法について解説します。
インビザライン矯正中、または検討中の方で噛み合わせに不安を抱えている方はぜひ参考にしてください。
湊 寛明
九州大学歯学部卒業後、大手矯正歯科グループで院長を務めるなどして経験を積む。2017年、ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院を開院。同年医療法人社団ピュアスマイルを設立し、理事長を務める。日本矯正歯科学会、日本成人矯正歯科学会、日本舌側矯正歯科学会、世界舌側矯正歯科学会、日本歯科審美学会など、多数の学会に所属している。
目次
インビザラインには、全体的な歯並びの矯正から一部の歯のみを対象するものなど、さまざまなプランがあります。
全体矯正のプランでは、全ての歯を動かせるため噛み合わせの改善もできます。
しかし、部分矯正のプランでは、前歯のみを対象としているため、噛み合わせの改善まで対応できない可能性が高いです。
また、インビザラインは3Dシミュレーションを用いて計画が立てられ、機械によって精密なマウスピースを作製できます。
そのため、緻密な治療計画の立案と正しい方法で進めていけば噛み合わせが悪化することは通常ありません。
しかし、矯正中は歯が動き、以前とは感触の異なる噛み合わせになるため、一時的に違和感を覚えることがあります。
治療を進めていくうちに噛み合わせは整いますが、この変化を理解していないと噛み合わせが悪化したと誤解する可能性があります。
ただ、インビザラインはワイヤー矯正と治療方法が異なります。
インビザラインに精通したド クターのもとで受診しないと、噛み合わせが悪化するトラブルが生じてしまうことも。
そのため、インビザラインを始める際は症例数の豊富なドクターのもとで受けることをおすすめします。
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全体矯正のプランは、以下の噛み合わせの問題を解消できます。
出っ歯
上あごの前歯が前方に突出している状態を指します。
出っ歯は、歯列全体の噛み合わせが合っていないことが多いです。
インビザラインで前歯を後方に移動させることで噛み合わせの改善が期待できます。
ただし、歯を並べるスペースが不足している場合は、研磨処置や抜歯が必要になります。
出っ歯はインビザライン矯正で治せる?症例とともに解説
すきっ歯
歯と歯の間に隙間が生じている状態です。
見た目だけに影響が生じていると思われがちですが、上下の歯がうまく噛み合わないため発音する際に空気が漏れたり、歯の隙間に食べ物が詰まりやすくなったりします。
前歯だけに隙間が生じてるような症例は、3か月半~半年程度の短期間で改善が期待できます。
受け口
下の前歯が前方に突出している状態です。
上下の噛み合わせが反対になっているため、歯やあごへの負担が大きくなります。
上の前歯を前方に移動し、下の前歯を後方に移動させることで改善が期待できます。
ただし、症例によっては抜歯が必要になることと、あごの骨に問題がある場合はインビザラインのみでの治療が難しいことも。
このような症例は、ワイヤー矯正や外科手術が必要になります。
具体的には、上顎に対してはルフォー1型骨切術と下顎に対してはSSRO(下顎枝矢状分割術)骨切手術などを行います。
ガタガタの歯並び
歯が生えるスペースが不足すると歯が重なり合って生えてくることがあります。
見た目だけでなく、噛み合わせに影響を与えやすい歯並びです。
インビザラインでは、歯と歯の間をヤスリで削る研磨処置を行い、歯を並べるスペースを確保します。
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深い噛み合わせ
上の歯が下の歯に覆い被さっている状態のことを指します。
「アタッチメント」と呼ばれる小さな装置を歯の表面につけて、歯を歯ぐきの方向に押し出したり引っ張り出したりすることで改善が期待できます。
痛みを感じることは少ないですが、圧迫感を感じる方もいるようです。
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インビザラインは正しい方法で着脱し、装着時間を守って入れば噛み合わせが悪くなることはありません。
しかし、以下に当てはまる方は、噛み合わせの悪化を招いてしまう可能性があります。
装着時間を守っていない
インビザラインのマウスピースは1日20時間以上装着する必要があります。
時間を守ることによって、歯に継続的な力が加わり動かすことができるのです。
自己判断で装着時間を短くしてしまうと、計画通りに歯が動かないどころか噛み合わせの悪化を招いてしまう可能性があります。
装着時間を守っていない場合、大きな誤差が歯並びに生じてしまいます。この状態で次のマウスピースに進むと、更なる不適合誤差が積み重なり、より噛み合わせが崩れていってしまうからです。
マウスピースを噛みしめる癖がある
マウスピースを噛みしめる癖があるとマウスピースが変形し、噛み合わせを悪化させる原因となります。
また、変形したまま装着し続けると、本来とは異なる方向に歯が動いてしまうことも。
特に、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は注意が必要です。
このような癖がある場合、ワイヤー矯正の方が適している可能性があります。
マウスピースが浮いたまま装着している
正しい方法で装着しないとマウスピースと歯が密着せず浮いてしまうことがあります。
浮いた状態で治療を継続すると、計画通りに進まないだけでなく、噛み合わせの悪化を引き起こす可能性があります。
浮いたままの状態でマウスピースを使用していると、シミュレーション時の治療計画の誤差が次のマウスピースを使用する毎に積み重なっていくため、噛み合わせも必然的に崩れていってしまうのです。
マウスピースを装着する際は、チューイーを用いてしっかりと密着させることが重要です。
マウスピースの厚みによって奥歯が押し下げられている
マウスピース1枚の厚みは0.5mm程度です。
上下で装着すると1mmになるため、奥歯に強く当たり押し下げられることがあります。
最終的にはしっかりと噛めるよう調整するため、過度に心配する必要はありません。
ただし、治療完了後も奥歯が噛み合わない状態が続くと、前歯に過度なダメージが加わりやすくなり、首や肩 に負担がかかる原因となります。
ドクターの経験不足
インビザラインのプランには、矯正医でなくても行えるものもあります。
そのため、噛み合わせに関する知識や経験が不足している場合、悪化するリスクがあります。
インビザラインを受ける際は、見た目だけでなく噛み合わせもしっかりと考慮してくれるドクターを選ぶことが大切です。
インビザラインで噛み合わせが悪化したと感じた際は、以下の対処法があります。
ドクターに相談する
噛み合わせが悪くなったと感じたら、まずはドクターに相談することです。
噛み合わせの問題は専門的な知識が必要になり、自分で解決することはできません。
自己判断で対処すると取り返しのつかないことになる可能性があります。
インビザラインは定期的に通院する日が設けられているので、都度計画通りに進んでいるか確認しましょう。
装着時間を守る
インビザラインの進行に問題がなければ、装着時間を見直しましょう。
インビザラインのマウスピースは、食事や歯磨きの時間を除き、基本的に常に装着し続けることが重要です。
もし、装着を忘れがちになったり、装着が面倒に感じられるようになったりした場合は、スマートフォンのアプリを使ってモチベーションを維持する方法がおすすめです。
正しい方法で装着する
インビザラインのマウスピースは、チューイーと呼ばれるゴムを噛んでしっかりと密着させることが重要です。
装着方法は、まず指で前歯から奥歯に向かってマウスピースをはめ込みます。
つぎにチューイーを前歯から奥歯に向かって均等に噛み、 マウスピースをしっかりと密着させましょう。
特にインビザラインを始めた際やマウスピースの交換後は浮きやすいため、長めに噛むことをおすすめします。
インビザラインは歯並びだけでなく噛み合わせも治せる矯正方法です。
歯が動く過程で噛み合わせが悪化したと感じることもありますが、正しい方法で装着し、指定された装着時間を守れば噛み合わせが悪化することはありません。
しかし、噛み合わせに違和感を覚えた場合は、自己判断で対処するのではなく、まずは担当のドクターに相談しましょう。
Oh my teeth導入クリニックでは、独自プランとインビザラインのどちらも取り扱いがあるので、多様な症例に対応しています。ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。
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