歯並びが悪い原因と治し方を徹底解説!悪い歯並びの種類・リスク・治療法まで紹介

「自分の歯並びって悪いのかな?」と気になったことはありませんか?出っ歯やガタガタの歯並びは見た目だけでなく、噛み合わせや滑舌、健康にも影響することがあります。
本記事では、歯並びが悪いとされる主な種類や原因、放置によるリスク、そして治療方法までをわかりやすく解説。
矯正を検討している方にも役立つ情報をまとめました。まずは今の状態を知ることから始めましょう。

目次
- 自分の歯並びは悪い?【セルフチェックと主な症状】
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(下顎前突)
- すきっ歯(空隙歯列)
- 噛み合わせが深い(過蓋咬合)
- 一部が逆に噛んでいる(交叉咬合)
- ガタガタ・八重歯(叢生)
- 前歯が噛み合わない(開咬)
- 歯並びが悪くなる原因とは?|生活習慣・クセ・遺伝など4カテゴリで解説
- ①日常のクセ・習慣によるもの
- ②口まわりの機能・習慣によるもの
- ③歯や口腔のトラブルによるもの
- ④生まれつきの歯の本数・大きさの問題
- 歯並びの乱れを放置 するとどうなる?6つのリスク
- ①咀嚼・消化器官に負担がかかる
- ②口臭・虫歯・歯周病リスクの増加
- ③発音や滑舌への影響
- ④口呼吸によるドライマウス
- ⑤見た目のコンプレックス
- ⑥肩こり・頭痛との関連
- 歯並びを悪くしないために|今日からできる予防習慣8選
- 頬杖・爪噛み・指しゃぶりを避ける
- 口呼吸から鼻呼吸へ
- 舌の正しい位置を知る
- 仰向けで寝る・硬いものを噛む
- 歯科治療の継続と定期検診
- 歯並びはどうやって治す?3つの方法と特徴比較
- ワイヤー矯正|確実性の高い治療法
- マウスピース矯正|目立たず始めやすい選択肢
- MFT(口腔筋機能療法)
- 歯並びは自分で治せないので注意!必ず専門家に相談を
- 後悔しない矯正歯科の選び方|チェックすべき3つのポイント
- 説明が丁寧で質問しやすいか
- デメリットも隠さず教えてくれるか
- 選択肢が豊富かどうか
- 歯並びが悪いのが気になるなら早めに相談してみよう

歯の位置やあごの大きさ、上下の噛み合わせなどに乱れが生じている悪い歯並びを、専門用語で「 不正咬合(ふせいこうごう)」と言います。
ここからは7つの不正咬合と、それぞれの特徴・原因を解説。あなたの歯並びがどの不正咬合なのか、鏡を見ながらチェックしていきましょう。
出っ歯(上顎前突)
受け口(下顎前突)
すきっ歯(空隙歯列)
深い噛み合わせ(過蓋咬合)
一部が逆に噛んでいる(交叉咬合)
ガタガタ・八重歯(叢生)
前歯が噛み合わない(開咬)
出っ歯(上顎前突)

出っ歯(上顎前突)とは、上の前歯が前に突出している状態のことです。出っ歯には、歯自体が前に出っぱっているものと、上顎全体が前に出ている骨格性のものがあります。
そして横から見たときに、口元がゴボっと前に突き出たような状態(いわゆる口ゴボ)になっていることも。
出っ歯の原因には、生まれつきの歯の大きさによるもの、上あごの骨の過成長や下あごの劣成長などがあります。後天的なものとしては、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などが原因です。
受け口(下顎前突)

下顎前突(受け口)とは、下あごが上あごより前に出ている状態です。
正常な骨格は下あごよりも上あごが前に出ている状態のため、それが逆になっているこの不正咬合は、「反対咬合」とも呼ばれます。
受け口は、生まれつきのあごの発育不全などによって、上あごよりも下あごが大きくなってしまったときに起こることが多いです。
また、子どもの頃から舌癖(舌で前歯を押す癖)があると、骨格に異常がなくても歯が前に押し出されてしまい、成長と共に受け口になってしまうことがあります。

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すきっ歯(空隙歯列)

すきっ歯(空隙歯列)とは、歯と歯の間に隙間が空いている歯並びのことです。生まれつき歯の本数が少なかったり(先天性欠如歯)、成長の段階で歯を失ってしまったりすることがあります。
また「歯とあごの骨とのバランスの悪さ」や、「舌で歯を前に押し出す癖」なども原因の1つです。

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噛み合わせが深い(過蓋咬合)

過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上下の歯を噛み合わせたときに、下の歯が上の歯に隠れてほぼ見えない状態の不正咬合のことです。
嚙み合わせが深いことから「ディープバイト」と呼ばれることもあります。
上あごよりも下あごが大きく後方にあるときに起こり、出っ歯を併発している場合も。
また、乳歯の虫歯などで早期に奥歯を失い、永久歯が十分に生えないと、噛み合わせが深くなることもあります。

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一部が逆に噛んでいる(交叉咬合)

交叉咬合とは、一部分が反対の噛み合わせになっている不正咬合のことで、別名「クロスバイト」と呼びます。
生まれつきのあごの大きさのアンバランスや、舌癖(舌を前歯に押し付ける癖)などが原因です。
子どもの頃の交叉咬合は、奥歯の噛み合わせが横にズレていることで引き起こされることもあります。

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ガタガタ・八重歯(叢生)

ガタガタの歯並びは、歯と歯が部分的に重なっている状態で、「叢生(そうせい)」や「乱ぐい歯」とも呼ばれる不正咬合です。いわゆる八重歯もこの叢生の一種です。
厚生労働省の調査によると、日本人の不正咬合のうち4割以上が叢生というデータもあります。

画像出典元:e-ヘルスネット
ガタガタな歯並びは基本的に、歯が生えるスペースが足りないことで起こります。例えばあごのスペースに対して歯が大きすぎたり、歯の大きさに対してあごのスペースが小さいなどです。
また、指しゃぶりや舌で歯を押す癖などによって、部分的 に歯並びが悪くなってしまうこともあります。

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前歯が噛み合わない(開咬)

開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに、上下の前歯が噛み合わない不正咬合のことです。
下あごの発育不全や、あごの成長期における指しゃぶりや口呼吸、舌を前に出す癖などで起こります。

「特に何もしていないのに、なんで歯並びが悪くなったんだろう?」実はその原因は、日々の無意識なクセや生活習慣にあるかもしれません。
このパートでは、歯並びが乱れる主な原因を4つのカテゴリに分けてご紹介。自分に当てはまりそうなポイントがないか、チェックしてみましょう。
①日常のクセ・習慣によるもの
日常生活の中で無意識にくり返しているクセが、実は歯並びの乱れに影響することがあります。
特に成長期の子どもは、あごの骨がやわらかく、習慣による力の偏りを受けやすいため注意が必要です。
ここでは、歯並びに悪影響を及ぼす可能性のある日常のクセや習慣を紹介します。
頬杖をつく
指しゃぶり・おしゃぶり
爪を噛む癖
噛み癖・食 いしばり・歯ぎしり
舌癖(正しい位置に舌がない)
頬杖をつく
頬杖をつくと、あごの関節や骨に強い力がかかるため、歯並びや噛み合わせに影響が出ると言われています。
同じ側でばかり頬杖をついてしまうと、歯並びはもちろん、左右の顔のバランスも損なわれる可能性があるので注意が必要です。
一例を挙げると、ペンのお尻を頬に当てるのが癖になっていたユーザーさんは、ちょうどその箇所の歯が内側に入っているケースがありました。断続的に力がかかり続けると、歯は動いてしまいます。
指しゃぶり・おしゃぶり
指やおしゃぶりを吸うことで上あごへ力がかかり、出っ歯や上下の噛み合わせが合わない「開咬」といった症状が出ることがあります。
なぜなら「吸う」という行為によって口腔内の圧力が高まり、これを長期間続けることで歯にも圧力がかかり続けるからです。
指しゃぶりやおしゃぶりを吸うことは、3歳くらいまでは歯並びに大きな影響を与えないと言われています。
ただ「3歳を過ぎたのに1日6時間以上指しゃぶりをしている」といった場合は、一度小児歯科クリニックに相談してみましょう。
爪を噛む癖
爪を噛む癖は、子どもに多いと思われがちですが、大人になっても癖がなおらずに噛んでしまう人も多いです。
固い爪を噛むと、歯に強い力がかかり、歯並びが乱れる原因になってしまいます。
噛み癖・食いしばり・歯ぎしり
いつも片側だけで噛んでいると、あごにかかる力が偏り、歯並びの乱れやあごのゆがみにつながることがあります。
また、虫歯などで痛みがあると、無意識に反対側だけで噛む癖がついてしまうことも。
さらに、寝ている間の食いしばりや歯ぎしりは、歯に強い力が加わるため、歯がすり減ったり動いたりする原因になります。
毎日のクセが積み重なることで、歯並びに影響する可能性があるため注意が必要です。
舌癖(正しい位置に舌がない)
無意識に行っている舌の癖は、歯並びを悪くする原因になります。
正しい舌の位置は、前歯の付け根の少し盛り上がった「スポット」と言われる場所についている状態ですが、舌癖があると、舌で前歯を押し出してしまうケースも。
そのため、舌癖が習慣になってしまうと、歯に力が加わり歯並びを悪くすることがあります。
②口まわりの機能・習慣によるもの
呼吸の仕方や食べ物の選び方など、口まわりの使い方にも歯並びを左右する要因があります。
こうした習慣が続くと、あごの発達や筋力バランスに偏りが生じ、歯列に影響を与えることも。
以下のような機能や習慣は、日常的に意識して改善することが大切です。
口呼吸
柔らかいものばかり食べる
加齢による口まわりの筋力低下
口呼吸
口呼吸は、口が開いた状態が長く続きやすく、舌やあごの位置が下がります。
正しい位置に舌やあごがないと、口周りの筋肉のバランスが崩れ(舌の圧力よりも頬の圧力が優位になり)、歯並びが悪くなる原因になる場合も。
また、口呼吸は歯並び以外にも虫歯や風邪のリスクを高めたり、口臭の原因になったりすることもあるので注意しましょう。
柔らかいものばかり食べる
柔らかいものばかり食べていると、あごの成長・発達が損なわれてしまう原因に。
その結果あごが小さくなると、歯が正常に並べずに歯並びが悪くなる恐れがあります。
加齢による口まわりの筋力低下
加齢とともに起こる筋力低下は、腕や脚だけではなく、口周りの筋肉でも起こります。
口まわりや舌の筋力が低下すると、舌の位置が下がり下の前歯を押してしまったり、食べ物を飲み込む際に舌で上の前歯を押してしまったりする原因に。
その結果歯に不要な力が加わり、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。
③歯や口腔のトラブルによるもの
虫歯や親知らずなど、口腔内のトラブルも歯並びに大きく影響します。
「ちょっと痛いけどそのままに…」という放置が、歯の移動や噛み合わせの乱れを引き起こす原因になることも。
特に、乳歯や治療途中の歯をそのままにしておくと、将来的な歯並びの崩れにつながる可能性があります。
以下のようなトラブルには、早めの対処が重要です。
虫歯・歯周病
乳歯の虫歯
歯科治療の中断
親知らずの圧迫・移動
虫歯・歯周病
虫歯や歯周病によって歯が欠けたり抜けたりしている場合、周辺の歯の生え方や歯並びに影響することがあります。
また、歯周病により歯を支えている骨が溶かされると、歯並びが不安定になり、歯並びの乱れにつながってしまうのです。
乳歯の虫歯
「乳歯は永久歯に生え変わるから、虫歯を放置してもいい」と考えがちですが、それは大きな間違いです。乳歯の虫歯は永久歯の歯並びに影響を及ぼします。
虫歯による痛みで片側だけで噛んでいると、骨やあごの成長を妨げ、歯並びが悪くなる原因に。
また、乳歯の虫歯を治療せず早期に失ってしまった場合、次に生えてくる永久歯の生え方にも悪影響を及ぼします。
乳歯の虫歯は放置せず、しっかりと治療してあげましょう。
歯科治療の中断
歯科治療を中断した歯は、うまく噛むことができず、周囲の歯に負担をかけるため、歯並びに悪影響を及ぼします。
抜歯した歯を放置しておく場合も同様です。抜歯で空いたスペースに周辺の歯が倒れてきて、噛み合わせが乱れることも。
歯科治療は自身の判断で中断せず、完了することが重要です。
親知らずの圧迫・移動
親知らずは、10代後半以降、あごの成長が完了した後に生えてくるため、正常に生えてくるスペースがないことが多いです。
スペースがないと、ほかの歯を圧迫したり、横向きに生えたりして、歯並びに悪い影響を与えることがあります。
親知らずが、斜めや横向きに生えている場合は抜歯を検討しましょう。
④生まれつきの歯の本数・大きさの問題
もともとの歯の本数や大きさの違いも、歯並びに影響を与える大きな要因の一つです。
生まれつき歯が多かったり少なかったり、サイズにバラつきがあると、歯列にズレや隙間が生じやすくなります。
以下のような先天的な特徴がある場合は、歯科での早めの相談がおすすめです。
歯の数が多い・少ない(先天性欠如・過剰歯)
歯が大きい・小さい
歯の数が多い・少ない(先天性欠如・過剰歯)
生まれつき歯が多く、きれいに並ぶスペースが確保できずガタガタの歯並びになることも。
通常乳歯は20本、永久歯は28〜32本ですが、それよりも多く生えてきた歯のことを「過剰歯(かじょうし)」と言います。
過剰歯の生え方によっては、ガタガタの歯並びになることに加えて、歯の根っこが溶けてしまうトラブルにつながることもあるのです。
また、生まれつき歯が少ないのも、歯並びが悪くなる原因に。具体的にはすきっ歯につながったり、片側の歯のみ少ないことで正中(上下のあごそれぞれの真ん中のライン)がずれたりします。
専門的には「先天性欠如(せんてんせいけつじ ょ)」といい、10人に1人の割合で起こる身近な現象です。
歯が大きい・小さい
歯並びが悪くなる主な原因は、あごのスペース不足です。
たとえば生まれつき1本1本の歯が大きすぎると、歯列がきれいに並ぶスペースが確保できず、ガタガタの並びになってしまいます。
逆に1本1本の歯が小さすぎるのも問題です。あごにスペースが余ってしまい、すきっ歯に繋がります。

悪い歯並びを放置すると、以下のようなリスクを生み出してしまいます。