矯正の痛みを感じる3つの原因!対処法や痛み軽減のツボを紹介
歯科矯正の痛みは、装置装着後3~6時間後くらいから発生します。痛みのピークは装着した翌日~数日ですが、少しずつ時間とともに和らぎます。
「矯正の痛みが心配…」
「どうやったら矯正の痛みが和らぐの?」
こういった悩み・不安を抱えている方に向けて、この記事では矯正における痛みについてわかりやすく解説します。痛みが和らぐツボなども紹介するので、すぐに痛みを和らげたい方もぜひ参考にしてください。
古川雄亮
大阪心斎橋矯正歯科 院長。歯学博士。東北大学歯学部卒業。九州大学大学院歯学府博士課程(歯科矯正学専攻)修了。日本矯正歯科学会所属。歯医者お悩み.com管理人。直近の研究実績「カンボジアのHIV感染感児におけるCD4細胞数と口腔内衛生管理の関連性について(2019, Scientific Reports)」。代表記事「ボリビアにおける歯科医療の実態とは?」。
目次
矯正治療で痛みを感じる原因は、主に3つあります。
歯が移動する痛み
矯正装置が当たる痛み
食べ物を噛む痛み
歯が移動する痛み
矯正によって歯が移動することで、痛みを感じることがあります。矯正の圧力によって歯が移動する際、「プロスタグランジン」や「ブラジキニン」と呼ばれる炎症物質が発生します。
また、歯の根っこには「歯根膜(しこんまく)」という組織があり、矯正によって歯根膜にある血管が圧迫されることで、発生する痛みもあるでしょう。
矯正装置が当たる痛み
矯正装置が口の中に当たることで、痛みが生じるケースも少なくありません。
特にワイヤー矯正の場合は、歯につけるブラケットの装置が粘膜や舌にあたるため、口内炎になりやすいです。またマウスピース矯正は、マウスピースのフチが歯茎にあたり痛みを感じることもあります。
食べ物を噛む痛み
矯正中は食べものを噛むときにも歯への負荷がかかるので、痛みが生じやすいです。柔らかいものを食べて、お肉などの噛む力が必要なものは避けるとよいでしょう。
一般的に矯正後の痛みは矯正装置をつけてから4〜5時間から発生し、2〜3日後がピークになります。ただ、それ以降は落ち着き、一週間もすると歯の痛みは治まってくるでしょう。
痛みの感じ方には個人差がありますが、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正のほうが比較的痛みは小さい傾向にあります。
矯正中に痛みがあるときは、以下の対処法があります。
痛み止めを使う
食べ物に気をつける
痛い部分を冷やす
歯科医師に相談する
痛みが我慢できないときは、痛み止めを使うのも一つです。
矯正を始めたばかりで痛みに慣れて いないときは、ロキソニンなどの市販薬でも痛みを抑えられます。
また歯へ強い圧力がかかるため、硬い食べ物も避けたほうが良いでしょう。
噛みちぎりにくいものは小さく切ったり、水分の多いおかゆや豆腐などが食べやすいです。
その他に痛みが出た箇所を冷やしたり、違和感を感じたら担当の歯科医師に相談するのがオススメです。
歯列矯正中の食事における注意点といたい時の対処法!噛めない期間はいつまで続く?
歯科矯正中の歯の痛みを和らげる3つのツボ
続いては、矯正中の痛みに悩まされいる方、痛みが出ないか不安な方に向けて、歯の痛みを和らげるツボをご紹介します。
頬者(きょうしゃ)
顴髎(かんりょう)
合谷(ごうこく)
頬者(きょうしゃ)
下顎の骨にあるツボで、口と耳たぶの真ん中付近にあります。グッと噛み締めると筋肉(咬筋)が盛り上がる箇所です。歯の痛みや腫れ、顎の痛みを減少させる効果があるといわれています。
顴髎(かんりょう)
頬骨の下部分に位置するツボです。つぼを見つけるポイントは眼の外側の凹みから垂直に線を下ろすことです。歯の痛みや蓄膿症の痛みを和らげます。
合谷(ごうこく)
手の人差し指と親指の間にあるツボです。歯の痛みに加えて、頭痛や顔面痛にも効果があり、炎症を和らげる効果も期待できるといわれています。
※妊娠中の女性が合谷のツボを押さえると陣痛が起こると言われています。妊娠中の方は違うツボを押さえるようにしましょう。
歯の痛みを和らげるツボの押し方
歯の痛みに効果のあるツボをご理解いただけたと思うので、指圧のやり方のポイントをお伝えします。
快適な姿勢をとり、目を閉じて深呼吸する
ツボにしっかりと圧を加えてマッサージする
1回に数分間、ツボを上下に押したり円を描いたりなどしてマッサージする
快適に感じる(痛みが緩和される)まで、マッサージを続ける
途中で諦めず、辛抱強く指圧してみてください。ただし、痛みが激しい場合は指圧で痛みを緩和させることが難しいです。
ツボを押しても痛みが治らない場合は、近くの医院を受診するようにしましょう。
指圧はどんな痛みに対応できる?
今回紹介したようなツボ押しは、矯正力による歯の痛みだけでなく、虫歯や歯周病、歯が生えるときの痛みも和らげることが報告されています。具体的には以下のようなケースです。
穴になっているような大きな虫歯
壊れた(欠けた)詰め物による刺激
欠けた歯(咬合痛や知覚過敏などが起こる)
歯の根っこの歯周病(根尖病巣)
歯が生える時(親知らずも含む)
歯茎の炎症(歯茎にできた膿など)
蓄膿症(上顎に痛みを感じることあり)
顎関節の痛み
神経痛(顔面神経など)
指圧が歯の痛みに効果的な理由
歯科矯正や虫歯、歯周病による歯の痛みがツボ押しで緩和する理由としてはさまざまな意見があります。以下はその一例です。
脳による痛覚神経からの知覚の変化
心拍数、血圧、エピネフリン放出の減少
中枢神経をリラックスさせる化学物質の放出
炎症を和らげる物質の放出
血流の増加と腫れの減少
痛みを感じにくくするエンドルフィン放出の上昇
矯正中に痛み止めは飲まないほうがいい?
矯正中でも痛み止めは服用できます。夜に痛くて眠れない場合や、仕事に集中できないなら、ロキソニンなどのいつも利用している痛み止めを利用しましょう。
矯正の痛みに耐えられないときは?
矯正治療中に痛みが耐えられない場合は、医師に相談の上で鎮痛剤を服用したり、柔らかい食事を心がけましょう。また、マッサージや矯正用ワックス(矯正器具から口腔内を保護するための保護剤)の使用なども効果的です。
ただ、異常を感じた場合はすぐに歯科医師に相談しましょう。
矯正が痛くて食べられないのはいつまで?
矯正の痛みで食べられないという状態は通常、矯正後2~3日がピークです。個人差はありますが1週間ほどで少しずつ痛みが和らぎます。違和感や矯正中の食事は、1ヶ月もあれば慣れるでしょう。
矯正の痛みが心配という場合は、マウスピース矯正を選択するのも一つです。
マウスピース矯正なら、ワイヤー矯正よりも比較的痛みを抑えられます。どうしても我慢できない痛みが出るなら、一時的に矯正装置を取り外すことも可能です。(ただし、1日20時間以上装着することが基本であるため、歯の移動が遅くなる可能性もあります。歯科医院に痛みのことを相談しましょう)
また痛み続いたりや違和感を感じたら、通院している歯科医院に相談しましょう。
矯正中の痛みに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
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マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも比較的痛みにくい矯正方法として知られます。 マウスピース矯正 Oh my teethの適合診断は無料です。痛みに関するご相談も可能ですので、まずはお気軽にご予約ください。