インビザラインで八重歯は治療できる?インビザライン治療の流れや費用・期間を紹介

八重歯はあどけない印象を与えることから「かわいい」と言われることも多いです。
しかし、八重歯を持っている方の中にはコンプレックスを抱え、目立ちにくいインビザラインで治したいと思う方も少なくありません。インビザラインで八重歯治療は可能ですが、適応外の症例もあります。
そこで本記事ではふれあいの丘デンタルクリニック の秋庭 恭先生監修のもと、インビザラインで治せる八重歯や治療の流れを紹介します。
インビザラインにかかる費用や期間についても解説しますので、八重歯を治したい方は是非参考にしてください。
秋庭 恭
日本歯科大学歯学部卒業後、同大学矯正歯科、ローズタウン歯科クリニックにて経験を積む。1999年には歯学博士を取得。その後ロサンゼルスにてThe UCLA center for Esthetic Dentistry 2 years programを修了し、日本で数人しかいない卒業生となる。2008年にふれあいの丘デンタルクリニックを開院。六本木ミッドタウンデンタルクリニックにて非常勤医としても従事している。
目次

インビザラインは歯並びの適応範囲が広いため、多くの八重歯に対応することが可能です。
基本的に八重歯の矯正は、歯全体を整える全体矯正が必要となることが多いですが、軽度の八重歯であれば、比較的低コスト・短期間で対応できる部分矯正(インビザラインGo)が適用できる場合もあります。

※詳しくは「インビザラインの種類と費用」をご覧ください。
八重歯に悩んでいる方の中には、単に犬歯の位置異常だけでなく、噛み合わせや歯列全体の乱れも伴っているケースもあります。
そのため、全体矯正や必要に応じてワイヤー矯正との併用が求められることも少なくありません。
また、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、開咬(前歯が噛み合わない状態)といった重度の不正咬合を伴う場合は、歯 並びだけでなく骨格レベルからの治療が必要になります。
↓あわせて読みたい

インビザラインとは?ほかのマウスピース矯正との違いやおすすめの人を解説
「本当に私の八重歯もキレイになるの?」そう思う方のために、実際にインビザラインで八重歯の悩みを解決した実例をご紹介します。
Oh my teethではBasicプラン・Proプラン以外にも、インビザラインを取り扱っています。
ご自身の歯並びに近い症例を参考にしてみてください。
※紹介する治療期間や費用はあくまで一般的な目安であり、実際の治療計画は個人の歯並びの状態によって異なります。


症例を見て「自分もインビザラインで治せるかも」と感じた方へ。
Oh my teethの無料診断では、3Dスキャナーで歯型を採取し、専門家があなたの歯並びを丁寧に診断します。
所要時間は約30分。無理な勧誘は一切ありませんので、まずはお気軽にご予約ください。
インビザラインで八重歯を整えるためには、まず犬歯が正しい位置に並ぶためのスペースを確保することが重要になります。
スペースを確保する方法にはいくつかあり、症例に応じて最適なアプローチが選ばれます。
ここからは、それぞれのスペース確保方法と治療の進め方について、順番に解説していきます。
方法① 歯を動かすスペースを作る(IPR・抜歯)
八重歯の治療で最も重要なのが、歯が正しく並ぶための「スペース」を確保することです。インビザラインでは主に2つの方法でスペースを作ります。
IPR(歯の研磨): 歯の重なりが軽度な場合に、歯の側面を健康に影響のない範囲でわずかに削り、スペースを生み出します。
抜歯: 歯のでこぼこが大きくIPRだけではスペースが足りない場合に、八重歯の隣にある小臼歯などを抜歯してスペースを確保します。なお、噛み合わせの要となる八重歯(犬歯)自体を抜くことは基本的にありません。
↓あわせて読みたい
方法② 歯を奥へ動かす(遠心移動)
歯列全体に十分なスペースを確保するために、奥歯(臼歯)を後方へ移動させる方法があります。
ただし、奥歯は歯を支える骨(歯槽骨)の範囲内でしか動かすことができないため、大きなスペース確保には限界があります。
そのため、状況によってはIPR(ディスキング)など他の処置と組み合わせて行うことが一般的です。
また、後方への移動スペースを確保する上で親知らず(第三大臼歯)が障害になることもあり、その場合は親知らずの抜歯が必要になるケースもあります。
方法③ 歯列のアーチを広げる(側方拡大)
歯列に余裕を持たせる方法として、歯列全体を側方(外側)に広げてスペースを作る方法があります。
特に、抜歯を避けたい場合や、IPRだけではスペースが足りない軽度〜中等度の八重歯に対して検討される方法です。
この処置では、拡大床(かくだいしょう)などの装置を使って、歯列を少しずつ広げていきます。
ただし、歯を支える骨(歯槽骨)の範囲を超えて無理に広げると、歯の健康や噛み合わせに悪影響が出る可能性があるため、処置は慎重に行われなければなりません。
また、噛み合わせにズレが生じるリスクが高いと判断された場合や、歯槽骨の形状・状態によっては、この方法が適応されないこともあります。
方法④ 歯を動かす力を補助する(アタッチメント・ゴムかけ)
マウスピースだけでは難しい歯の動きを可能にするため、補助的な装置を使うことがあります。
アタッチメント: 歯の表面に接着する、歯の色に似た小さな突起です。マウスピースの維持力を高め、歯を特定の方向に動かすための「取っ手」のような役割を果たします。
ゴムかけ(顎間ゴム): 上下の歯に付けたボタンやアタッチメントに医療用の小さなゴムをかけ、噛み合わせを改善したり、歯の移動を助けたりします。
方法⑤ どうしても難しい場合はワイヤー矯正などの代替治療を行う
前述のような方法でスペースを確保したあとは、いよいよ八重歯を正しい位置へ移動させる段階に入ります。
しかし、歯を大きく動かす必要があるケースや、歯の回転・ねじれといった複雑な動きが必要な場合は、インビザラインだけでは対応が難しいこともあります。

そのような場合には、ワイヤー矯正を併用する「コンビネーション矯正」が選択肢になります。
ワイヤー矯正は取り外しができず、常に一定の矯正力をかけ続けられるため、インビザライン単独よりも効率的に歯を動かすことが可能です。
また、あなたの歯並びの状態やゴールに応じて、外科的矯正やセラミック治療の選択肢も検討されます。
外科的矯正とは
外科的矯正は、あごの骨に対する外科手術と歯科矯正治療を組み合わせて行う方法です。
歯並びだけでなく、骨格自体に問題がある場合(例:骨格性の出っ歯や受け口を伴う八重歯)には、矯正治療だけでは十分な改善が難しいため、外科手術が必要になります。
費用の目安は200〜300万円程度、治療期間は2〜4年程度と、高額、そして長期にわたる傾向がありますが、「顎変形症(がくへんけいしょう)」と診断され、所定の基準を満たした場合には、健康保険の適用を受けられる可能性もあります。
外科的矯正は負担が大きい分、骨格ごとバランスを整えることで、見た目も噛み合わせも大きく改善できる方法といえるでしょう。
セラミック治療とは
歯をセラミック冠にすることで、歯並びが整ったように見せる方法です。
健康な歯を大きく削るため、知覚過敏や神経を取るリスクはありますが、歯の形や色を好みにできます。
費用目安は1本5〜12万円、目安期間は2〜3ヶ月です。
ただ、インビザラインで治せないほどの八重歯となると、前歯の6本を大きく削ってセラミックを被せる可能性が高いです。
歯は削れば削るほど健康を損ねてしまうため、セラミック矯正を検討する際はメリットとデメリットをよく理解してから選択しましょう。

インビザラインで八重歯を治す場合の費用や期間は、あなたの歯並びの状態によって大きく変わります。
治療範囲が前歯周辺に限られる「部分矯正」で対応できるのか、それとも「全体矯正」が必要になるのか、それぞれの目安を見ていきましょう。
部分矯正の費用・期間
奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、八重歯の突出も軽度な場合は、部分矯正(インビザラインGoなど)で対応できる可能性があります。
費用目安:約20万~50万円
期間目安:数カ月~1年
治療範囲を気になる前歯周辺に限定するため、費用と期間を大幅に抑えられるのが最大のメリットです。ただし、適応できる症例は限られるため、まずはご自身の八重歯が対象となるか、歯科医師の診断を受けることが重要です。
↓あわせて読みたい
全体矯正の費用・期間
八重歯だけでなく、奥歯の噛み合わせにも問題がある場合や、歯を動かすスペースを大きく確保する必要がある場合は、全体矯正が適用されます。
費用目安:約70万~100万円
期間目安:約1年半~3年
歯並び全体を根本から整えるため、費用も期間もかかりますが、理想的な噛み合わ せと美しい歯のアーチを手に入れることができます。
抜歯が必要なケースや、ワイヤー矯正との併用が必要な場合は、費用や期間がさらに追加されることもあります。
インビザラインのプランごとの費用をより詳しく知りたい方は、「インビザラインの費用相場はいくら?」をご覧ください。
八重歯は、見た目の印象だけでなく、噛み合わせや口元のバランスにも影響を与えることがあります。
インビザラインを使った矯正なら、目立ちにくいマウスピースで、自然に美しい歯並びを目指すことが可能です。
ただし、八重歯の状態や骨格によっては、インビザラインだけでの治療が難しい場合もあります。
まずは専門の歯科医師に相談し、あなたにとって最適な治療方法を見つけましょう。
本記事の監修医師のクリニックはこちら