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最終更新日:2025年4月30日

インビザラインで八重歯は治療できる?かかる費用や期間・治せない場合の対策もご紹介

カバー(インビザラインで八重歯は治療できる?)

八重歯はあどけない印象を与えることから「かわいい」と言われることも多いです。

しかし、八重歯を持っている方の中にはコンプレックスを抱え、目立ちにくいインビザラインで治したいと思う方も少なくありません。インビザラインで八重歯治療は可能ですが、適応外の症例もあります。

そこで本記事ではふれあいの丘デンタルクリニック の秋庭 恭先生監修のもと、インビザラインで治せる八重歯や治療の流れ、治せない場合の対処法も紹介します。

インビザラインにかかる費用や期間についても解説しますので、八重歯を治したい方は是非参考にしてください。

秋庭 恭
歯科医師

秋庭 恭

日本歯科大学歯学部卒業後、同大学矯正歯科、ローズタウン歯科クリニックにて経験を積む。1999年には歯学博士を取得。その後ロサンゼルスにてThe UCLA center for Esthetic Dentistry 2 years programを修了し、日本で数人しかいない卒業生となる。2008年にふれあいの丘デンタルクリニックを開院。六本木ミッドタウンデンタルクリニックにて非常勤医としても従事している。

インビザラインで八重歯は治療可能

説明画像1(インビザラインで八重歯は治療できる?)

インビザラインは歯並びの適応範囲が広いため、多くの八重歯に対応することが可能です。

基本的に八重歯の矯正は、歯全体を整える全体矯正が必要となることが多いですが、軽度の八重歯であれば、比較的低コスト・短期間で対応できる部分矯正(インビザラインGo)が適用できる場合もあります。

ただし、八重歯に悩んでいる方の中には、単に犬歯の位置異常だけでなく、噛み合わせや歯列全体の乱れも伴っているケースもあります。

そのため、全体矯正や必要に応じてワイヤー矯正との併用が求められることも少なくありません。

また、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、開咬(前歯が噛み合わない状態)といった重度の不正咬合を伴う場合は、歯並びだけでなく骨格レベルからの治療が必要になります。

このような症例はインビザライン単独では対応が難しくなるため、適応の可否を正確に見極めるためにも、まずは歯科医師による診断を受けることが大切です。

ピュアリオ歯科インビザライン症例:ガタガタ

引用元:https://purerio.tokyo/case/gowding/

  • 主訴:上下叢生(そうせい)

  • 治療方法:マウスピース型(インビザライン)矯正

  • 治療期間:6ヶ月半

  • 治療費:115万円

  • 治療の副作用とリスク:疼痛、咬合時痛、知覚過敏、歯根吸収、歯肉退縮が生じる可能性があります

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インビザラインで八重歯を治す費用・期間は?

説明画像3(インビザラインで八重歯は治療できる?)

インビザラインによる八重歯の治療にかかる費用や期間は、歯並びの状態や治療内容によって大きく異なります。

これは、部分矯正で済む軽度の八重歯か、全体矯正が必要な中〜重度の症例かによって、必要なマウスピースの枚数や治療のステップが変わってくるためです。

一般的な費用の目安は以下の通りです。

  • 部分矯正(インビザラインGo):20万~50万円程度

  • 全体矯正(インビザラインフルなど):70万~100万円程度

治療期間の目安は、部分矯正で4〜8か月前後全体矯正で1年半〜3年程度が一般的です。

ただし、抜歯やワイヤー矯正との併用が必要になる場合は、費用が追加されたり、治療期間が延びる可能性もあります。

最終的な費用や治療期間は、口腔内の状態をもとに決定されるため、事前に歯科医師による精密検査とシミュレーションを受けることが重要です。

インビザラインで八重歯を治療する流れ

インビザラインで八重歯を整えるためには、まず犬歯が正しい位置に並ぶためのスペースを確保することが重要になります。

スペースを確保する方法にはいくつかあり、症例に応じて最適なアプローチが選ばれます。

ここからは、それぞれのスペース確保方法と治療の進め方について、順番に解説していきます。

抜歯

八重歯をきれいに並べるために十分なスペースが必要な場合、小臼歯の抜歯によってそのスペースを確保するのが一般的です。

多くの場合、前から4番目または5番目の小臼歯(1本あたり約7mm)を左右1本ずつ抜歯し、合計で約14mmのスペースを確保します。

ただし、状態によっては、小臼歯以外に虫歯が重度な歯や歯周病で保存が難しい歯を優先的に抜歯するケースも多いです。

なお、「八重歯をそのまま抜いてしまえば早いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、八重歯(犬歯)は非常に重要な歯です。

犬歯は噛み合わせの安定や奥歯の保護において大きな役割を果たしており、矯正治療で犬歯を抜くことは基本的にありません。

IPR(ディスキング)

八重歯を移動させるために必要なスペースがごくわずかな場合には、IPR(Interproximal Reduction)、通称ディスキングという処置が行われます。

これは、歯のエナメル質をわずかに削ってスペースを確保する方法です。

削る量は1か所につき最大0.5mm程度で、処置は痛みを伴わず、虫歯や知覚過敏のリスクもほとんどないとされています。

エナメル質は通常1〜1.5mmほどの厚みがあるため、その中で歯や歯列の状態に応じて、削る量を慎重に調整しながら進めます。

このIPRによってスペースが十分に確保できる場合は、抜歯をせずに矯正を進めることが可能です。

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奥歯を後方に移動させる

歯列全体に十分なスペースを確保するために、奥歯(臼歯)を後方へ移動させる方法があります。

ただし、奥歯は歯を支える骨(歯槽骨)の範囲内でしか動かすことができないため、大きなスペース確保には限界があります。

そのため、状況によってはIPR(ディスキング)など他の処置と組み合わせて行うことが一般的です。

また、後方への移動スペースを確保する上で親知らず(第三大臼歯)が障害になることもあり、その場合は親知らずの抜歯が必要になるケースもあります。

歯列を側方に広げる

歯列に余裕を持たせる方法として、歯列全体を側方(外側)に広げてスペースを作る方法があります。

特に、抜歯を避けたい場合や、IPRだけではスペースが足りない軽度〜中等度の八重歯に対して検討される方法です。

この処置では、拡大床(かくだいしょう)などの装置を使って、歯列を少しずつ広げていきます。

ただし、歯を支える骨(歯槽骨)の範囲を超えて無理に広げると、歯の健康や噛み合わせに悪影響が出る可能性があるため、処置は慎重に行われなければなりません。

また、噛み合わせにズレが生じるリスクが高いと判断された場合や、歯槽骨の形状・状態によっては、この方法が適応されないこともあります。

ワイヤー矯正と併用する

前述のような方法でスペースを確保したあとは、いよいよ八重歯を正しい位置へ移動させる段階に入ります。

しかし、歯を大きく動かす必要があるケースや、歯の回転・ねじれといった複雑な動きが必要な場合は、インビザラインだけでは対応が難しいこともあります。

そのような場合には、ワイヤー矯正を併用する「コンビネーション矯正」が選択肢になります。

ワイヤー矯正は取り外しができず、常に一定の矯正力をかけ続けられるため、インビザライン単独よりも効率的に歯を動かすことが可能です。

ただし、コンビネーション矯正はすべてのクリニックで対応しているわけではありません。

この方法を希望する場合は、事前にカウンセリング時に対応可否を確認しておくと安心です。

インビザラインで治療できない八重歯もある

インビザラインは適応範囲の広いマウスピース矯正ですが、すべての八重歯に対応できるわけではありません。

特に、歯列全体の乱れが大きい場合や、骨格に問題を抱えている場合、またインプラント治療が行われている歯がある場合などは、インビザライン単独での矯正が難しいことがあります。

これらの症例では、単に歯を並べるだけでなく、噛み合わせや骨格そのものを改善する必要があるため、より専門的な治療が必要になります。

そのため、インビザラインが適応できないと診断された場合は、ほかの矯正治療法を検討する必要があります。

インビザラインで治せない八重歯の治療法は?

説明画像2(インビザラインで八重歯は治療できる?)

インビザラインでの治療が難しい八重歯に対しては、以下のような代替治療法が選択肢となります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、金属製のブラケットとワイヤーを用いて歯を動かしていく、最も一般的な矯正方法です。

適応範囲が非常に広く、歯列全体の大きな乱れや複雑な噛み合わせの問題にも対応ができます。

費用の目安は全体矯正で60〜170万円程度治療期間は1年〜3年程度が一般的です。

症例の難易度や使用する装置によって前後するため、カウンセリング時に詳しく確認しておきましょう。

外科的矯正

外科的矯正は、あごの骨に対する外科手術と歯科矯正治療を組み合わせて行う方法です。

歯並びだけでなく、骨格自体に問題がある場合(例:骨格性の出っ歯や受け口を伴う八重歯)には、矯正治療だけでは十分な改善が難しいため、外科手術が必要になります。

費用の目安は200〜300万円程度、治療期間は2〜4年程度と、高額、そして長期にわたる傾向がありますが、「顎変形症(がくへんけいしょう)」と診断され、所定の基準を満たした場合には、健康保険の適用を受けられる可能性もあります。

外科的矯正は負担が大きい分、骨格ごとバランスを整えることで、見た目も噛み合わせも大きく改善できる方法といえるでしょう。

セラミック治療

歯をセラミック冠にすることで、歯並びが整ったように見せる方法です。

健康な歯を大きく削るため、知覚過敏や神経を取るリスクはありますが、歯の形や色を好みにできます。

費用目安は1本5〜12万円目安期間は2〜3ヶ月です。

ただ、インビザラインで治せないほどの八重歯となると、前歯の6本を大きく削ってセラミックを被せる可能性が高いです。

歯は削れば削るほど健康を損ねてしまうため、セラミック矯正を検討する際はメリットとデメリットをよく理解してから選択しましょう。

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インビザラインで八重歯を矯正したら顔も変わる?

日本では、八重歯を「チャームポイント」として好意的に捉える文化もありますが、実際には目立ちやすく、気にしている人も少なくありません。

そのため、八重歯を矯正した後に、顔全体の印象がどう変わるのか気になる方も多いでしょう。

インビザラインで八重歯を矯正し、歯並び全体が整うと、口元がすっきりと引き締まり、顔立ちがシャープな印象に変わることがよくあります。

特に、横顔の美しさを示す「Eライン(鼻先・唇・顎先を結んだライン)」が整うことで、自然でバランスの良い横顔に近づくケースも少なくありません。

さらに、見た目だけではなく、唇が八重歯に引っかからなくなる、唇が自然に閉じやすくなるといった、日常生活の小さな変化も実感できるでしょう。

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インビザラインで八重歯を治せるか相談が必要

八重歯は、見た目の印象だけでなく、噛み合わせや口元のバランスにも影響を与えることがあります。

インビザラインを使った矯正なら、目立ちにくいマウスピースで、自然に美しい歯並びを目指すことが可能です。

ただし、八重歯の状態や骨格によっては、インビザラインだけでの治療が難しい場合もあります。

まずは専門の歯科医師に相談し、あなたにとって最適な治療方法を見つけましょう。

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